エスケープ
初投稿で稚拙な文章ですが最後まで読んでいただけると嬉しいです。
俺は今まで女の子と一緒に街を歩くのはこんなに緊張するものだと知らなかった。
俺は少し前までただの一般人、どこの学校にも一人は必ずいる、根暗でいつもクラスの隅っこにいるような人間だった。
しかし今同じクラスの女子と一緒に歩いている。
その女子、垂井くるみさんは鴉のように黒く肩の下辺りまで伸びた髪、眠そうに吊り下がった目、少し小柄な体格、この全ての調和によって妖艶な雰囲気を醸し出している麗人だ。
それに比べてその隣に立つ俺、菊川レイは強いて言えば白髪が少し目立つくらいで顔は良くも悪くも普通、体格も普通、完全に垂井さんと釣り合っていない。
しかし実際俺はこの家から学校から遠く離れた北海道は札幌の地を二人で歩いている。
「ねえレイくんはジンギスカンは食べたことある?」
「ないけど、どうして?」
「この近くに美味しいお店があるのよ、そろそろお腹も空いてきた頃だろうしよかったら、どう?」
「そうだね、じゃあ案内よろしく。」
ちょうどお腹が空いてきたところだったし二つ返事でokした。
垂井さんの言っていたジンギスカン屋は10分ほど歩いたところにあった。
席に座り手早く注文を済ませると垂井さんがこちらをじっとみてきた。
「少し前まで一切話したことがない人と一緒にこんなところにいるなんてなん不思議ね」
「そうだね」
ほんとうに俺たちは少し前まで知り合いという範疇にも属していなかった、人生何が起こるかわからないものだ。
そして俺はこの三ヶ月のことを思い出していた。
夏休みの初め、蝉が次第に煩くなってきた時期に俺は親戚の家に引き取られた。
「これからよろしくお願いします」
俺を引き取ってくれた従伯父、つまり祖父の兄弟の孫に当たる人とはこれが初対面だった。
しかし伯父は
「さっさと高校卒業して出て行ってくれ」
とだけ言ってどこかへ出掛けて行ってしまった。
歓迎されるとは思っていなかったがまさかここまであからさまにされるとは、流石に傷つく。
とりあえず荷物が置けそうなところを探すか、そう考えて家の中を探すことにした。
散策をしてみて分かったが、この家は古く少し広いばっかりでところどころ汚れていたり、壊れている箇所があり、決して裕福ではないことがわかった。きっとこの広い家を相続したんだからお前が引きとれとか言われた引き取らされたんだろうな。
「それにしてもどこも物置みたいになっているな、、、お、これが最後の部屋か」
今にして考えるとこのドアを開けたことでこの物語が始まったように思える。
「誰?」
ドアの向こう側には同い年くらいの女子がいた。
次は一週間後に投稿します。




