フラグはたてるものではなく、折るものです。
大分、あけてすみません。
ネタがつきそうでヤバイです(“◉;益;◉)
色々話し合った結果、千歳さんの体調が良くなってから、栗原家の皆さんに預けて教育してもらおうと思っていたのだが、
「18歳?嘘でしょう?」
「嘘じゃないわよ、棗ちゃん。彼の戸籍とか確認したけどちゃんと学生よ」
玲奈お母様と二人で千歳を見る。
見られている千歳は仏頂面である。
「千歳さん、老けてるのね」
「………。」
舌打ちしたそうで我慢しているような顔をしている。
しかし、そんな顔をしても対して不細工に見えないのが腹立たしい。
「千歳さん、学校に行きたいですか?」
「…………」
「お母様」
「んー、通わせてもいいけれどあえて聞くわ。棗ちゃん、千歳くんにどうしてそこまでするの?」
「建前としては後々優秀な人材になりそうだからです」
「ふふ、じゃあ本音は?」
「私にとって千歳さんが必要だからです」
「!?」
「あらあら~、いいわよ。その代わり、アレのお手伝いをたくさんしてもらうわよ」
「もちろんです、ありがとうございます。お母様」
「じゃあ、さっそく編入手続きの書類等のやり取りをするわね」
「はい、よろしくお願いします」
なんだかやけににこにこしながら部屋から出ていく玲奈お母様。
まぁ、アレの手伝いをするからだろうな
「さてと、とりあえず千歳さんは療養しないとね」
「いや、待て話がはやくないか??」
「あらそう?でも、早いに越したことはないかしら?」
「………」
「まぁ、嫌がってももう遅いと思うわ(にっこり」
「…分かった。俺は、何からすればいい?」
「ふふ、今はさっき言った通り体を休めることね。それから細かいことを決めましょうか?それともあらかじめいっておこうかしら?」
「早いに越したことはないんだろ?なら、教えてくれ」
「私専属の護衛とか使用人かしら?言葉遣いを最初に学んだ方がいいかもね、そのままじゃ、孝人さんに怒られるわ」
棗に振り回されている孝人だが、どんなに振り回されてもお嬢様扱いは変わらない。お転婆がすぎるとしっかり諌めるし、たまには甘い対応をするときもある。最近は、お転婆なことはしていないのだが気を抜いたときに何かするのではと思われているので警戒はされていなくもない。
「孝人さん?」
「藤堂家の専属使用人の筆頭執事よ、とっても優秀だから彼に色々教えてもらうといいわ。本当になんでもできるからね」
「分かりました。お嬢様」
お嬢様呼びされたけど、何でだろう?違和感しか感じない。
俺様っぽいイメージの人に下手に出られてる気がしないみたいな。うん、やめてもらおう。
「千歳さんにお嬢様呼びはやめてもらいます。鳥肌たちそうなので」
「どういう意味だと言いたいが、助かる。背中がかゆい」
お互い様だった。
結局、千歳さんは私のことを棗様と呼ぶことになった。
断じて、私が強要したわけではない。お互いの妥協点である。
しかし、それを聞いた玲奈お母様がまたにこにこしだしたのだった。
解せぬ。
※※※
さて、と思いながら私は自室でとあるノートを開いた。
お祖母様直筆の攻略本ではなく、お祖母様に会ったときに話を聞き自分で書き直した攻略本である。
先日、声をかけられた堂本 竜樹少年についてページをめくる。
堂本 竜樹
王道系王子様的なヒーロー
黒髪黒目
カリスマ性があり、中学高校共に生徒会長を務める。
資産家の息子
お祖母様が最初にこのキャラを選んで攻略したわぁって話を前に聞いたなぁ………。
攻略法は庇護欲を誘うような言動を選択だったかな?
さて、私とはどういう繋がりで関わるのか…………と。
藤堂 棗とは生徒会にて会長と副会長副会長の関係。
攻略するときに生徒会室だと必ず出てくる。生徒会室以外でも5割の確率で遭遇する。
…………。これ、私が生徒会に入らなかったら回避できるよね?
よし、中学は絶対図書委員とか委員会に所属しよう。
あれから1度も会わないように回避してたから、たぶん大丈夫だろう。団体が見えたら速攻でルート変えてたからね。
玲奈お母様が書類を片手に棗と千歳を呼び出し、お茶をしていた頃。
アレクセイお父さんが帰宅
「ただいま………………って、誰だい!?その子は!?浮気?浮気なのかい!?玲奈!?若い子の方がいいの!!?」
「あら、あなたお帰りなさい。これ棗ちゃんが買ってきた和菓子、美味しいわよ」
「おぉっ!!和菓子!!棗、Danke!!ダンケ(ありがとう)」
そう言って、頭を撫でてくれるお父様は玲奈お母様が自分の隣の席をポンポンと叩いているのを見るとササッと玲奈お母様の隣に座る。
先程の問いも忘れたようにお母様に餌付けされているアレクセイお父様。
最初は驚いていた千歳も澄まし顔の棗がお茶を飲んでいて、周りの使用人たちもそれぞれがテキパキと動いているのを見て、ポーカーフェイスに戻った。
結局、玲奈がそのまま紹介したが今度は棗の彼氏にはまだ早いなどと言っていて、玲奈お母様に連れられて部屋を出ていった。