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序章 いざ街へ

一瞬のうちに世界が回転し、僕はいつの間にか街の入り口に立っていた。


ここは、ルベリアの街。この世界にいくつかある大国、アルバニア公国領に存在する小国であるルベリアの城下町である。

平野で囲まれたこの城下町は、アルバニア公国より東に70キロほどの場所に存在し、隣国であるアルバニアはもとより、さらに東に行ったところのグニール国、南のルフィーナ国、北のアッセンドリア商国の中継地点として、さまざまな種類の人種や亜人種でにぎわう巨大な街である。その面積は100㎢ともなり、商業地区や歓楽街、住宅地や行政区など、いくつかの区画に別れて統治されている。

貴族は少なく、人種間の争いなども立地的に存在せず、税もさほど厳しくない上、諸国からの侵略もないため、非常に住みやすく平穏な地として認知されている。


なかなか、この国の王様は名君みたいだな。


ルベリア先代国王、アレキセイ・フォルダンクリア・ルベリアは、現在では開拓王と呼ばれている。もともとは北にあるアッセンドリア商国の出身で、地元の大商人の息子であった。

大商人の息子であり、父親からは商人の才能を見込まれて商業学を学ばされていたが、当人は冒険家気質で、商業学もそこそこに開拓という言葉の響きに憧れを感じていたらしく、あるとき読んだ開拓者の金言という書物を読んでからはその憧れが強まり、俺は開拓者になる!と決意したのである。


ゆえに冒険者ギルドに登録し、魔物討伐依頼などをこなしつつ人望を集め、商人家業で資金を大量に溜め込んだ後、30歳そこそこでアッセンドリアを出国。アッセンドリアより南に中継地として街を作れば諸国からの冒険者や行商人が集まり交通の便となることを予測した上で、自らの資材を投げ打って街を設立し、経済効果もあったからか街の規模は日を追うごとに拡大。


とうとう大国であるアルバニアに立国の申し出をし、それが認められて国となった。国となった後も領土を拡大し、税もさほどとらずさまざまな人種を受け入れて成長するそのさまはこれからの世界の目標として認知されるだけでなく、重い税に苦しむ他国の民からも注目されるようになった。


現在、アレキセイ国王が街を作ってからわずか30年。5年ほど前にアレキセイは戴冠式を行い、自らの息子であるフリード・フォンダンクリア・ルベリアを国王とした。


このフリードもまた王たる資質の持ち主であり、民衆から感謝され讃えられる父の姿を見て育ったゆえに、そのやり方を続けつつも他国との貿易や新たな技術を用いての新しい商売への投資を行いさらに国としての名声を上げることに成功。親子ともども名君である。


フリード王は新しい技術に目がなく、モノを作り出すことを奨励しているので世界中から職人や技師たちが集まってくるというのも、この国が豊かであることの理由のひとつだろう。


しょっぱなから、いいとこについたもんだ。


ハジメはそう感じていた。


さあ、いざ入国だ!と歩き出すハジメはまだ知らない。


この世界には入国において、籍のある国から発行されるパスポートが必要だということを。


ハジメはまだ知らない。


多様な民族性を受け入れるルベリアが、パスポートなくして不正入国を試みる者にはほかの国よりも厳しいということを。



次回から、一人称と三人称が混ざると思います。読みづらいとは思いますが我慢してください!!!!!!

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