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後付け強化系転生者ハジメくんの異世界漫遊記  作者: 結佐
第二章 ハジメ in 盗賊団
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第二十六話 ハジメ、世界大盗賊団武盗会に出場する 2

しかし、と僕は思った。

というのも、少し計算してみたところ、会場に居るのがおおよそ1万人程度であり、参加総数は9600人といったところなので、単純計算で1ブロックにつき1200人、おおよそ300もの盗賊団が1ブロックで参加している計算になる。

これが8ブロックあるのだから、なんともまあ2400という盗賊団が存在しているということになり、この世界盗賊多すぎませんか?ってレベルなのであるが、盗賊になるのはほとんどが孤児や戦争によって親などをなくした者たちということを考えると、現在は国の体制もしっかりしているし戦争も今は起きないと思っていいので、これ以上増えるのはあまり考えられない。


だとすると、今がピークなんじゃないかなーと思う。


さらに言えば、本当に世界各地の盗賊たちが集まっているようで、むしろこの大会は盗賊団ならば参加しないというのは認められていないらしく、参加していない盗賊団は協会において非認可のものであり、それこそ見つけしだい攻撃を仕掛けるレベルで世界中から嫌われてるらしい。


ちなみに後で知ったのだが、この世界の人口は人間がおおよそ20億人、亜人など含む人間以外の種族がおおよそ80億人という、僕の居た世界の2倍近い人口がいるので盗賊の割合はフツーに考えれば多くは無い数であり(とはいっても100万人以上は盗賊なのだが)、もっと驚いたのは、盗賊というのは職種であり、ルベリアのように盗賊団という組織自体を賊として扱う国もあれば、いわゆる普通の職として認めている国もあるということだった。


また、盗賊協会という機関は、盗賊団を認可することによって、ある程度の数以上に盗賊団を増やすということを抑止するために作られているらしく、しかも、盗賊団を設立するに当たり、やってはいけない裏の法律みたいなものにのっとらなければならないらしい。


それによると、あまりに行き過ぎた集団での略奪行為は禁止で、しかも盗みに入るなら標的は基本的に「人として悪どすぎるが表の法律では裁けないような人」を優先して選ぶのが掟ということも手伝ってか、この世界の盗賊団はほぼ義賊に近いんだとか。


じゃあなんで「空覆うイナゴ団(ナイトグラスホッパー)」はメルキアの村を滅ぼしたのか?というと、実はテルミナの村はその村長がかなり悪い魔物で、知能が高かったので村長に化けて村人たちを捕食していたのだが、それがとうとう裏の情報として流れてナイトグラスホッパーが村を見に行ったところ、すでに村人は全員食われていて人に化けた魔物の巣窟となっていたらしく、盗賊団はこれはいけないと総攻撃、かなりの痛手をこうむりながらも村を制圧、人に化けた魔物どもを皆殺しにしたのだが、運悪くそこが魔物の巣窟だと知らなかったルベリアの商人がその総攻撃を目撃してしまい、ルベリアは盗賊団がメルキアを襲った!と目の敵にするようになったんだとか。


そして村としての原型がなくなるほど激しい戦闘だったがゆえにルベリアの街で空覆うイナゴ団(ナイトグラスホッパー)という通称がつくと、当時の団長が「盗賊ってのは本来恐れられてナンボだぜ?ならあえてそう名乗ってやるのが流儀だろ!」とかなんとか言い出し、噂を逆手にとって盗賊団に箔をつけたというのが彼らのルーツなんだとか。


聞けば聞くほど、「なんで自分からやりづらくしたんだろう、バカなのかな?」と思ってしまう僕であった。せめて誤解くらい解いたら?と思うのだが、今となっては後の祭りである。


んでもって盗賊団、このアンリッヒヘイゼン共和国では厳しく扱われてはいるが、隣のガイルス帝国などでは力こそすべてみたいな思想が根付いているらしく、国内での内戦や略奪などは「民の地力を上げ他国と戦争をする際に大いに役に立つ」などという世紀末もいいとこだ!と思うような理由で処罰の対象にはならないんだとか。


僕はそっと、盗賊団って頭の悪い人しかいないんだなーとか、ガイルスには行きたくないなーとか思ったのであった。




閑話休題。



Aブロックの試合は、なんというか僕からすればまったくもってついていけないといった具合であった。


というのもこのWTGとかいう大会、死傷者が出ないようになっているらしく、攻撃されて死んだら即会場に戻され、なんとまあ盗神パンがその死んだ盗賊をよみがえらせるという奇跡を起こしまくるらしい。


そんなのアリかよ!と思うのであるが、盗神パンとしては自分の信者、もとい自分の意思を告ぐ者たちを死なせたくないようであり、多分毎年毎年上位の神の怒りに触れながらそれを行っているらしい。しかも聞いた話によると、例の司会みたいなことをやっていた道化師が盗神パンその人らしく、彼自身こういったイベントが大好きなようで、ノリノリでああいうことをし始めたらしい。


なるほど、それでみんな司会の言葉にノリノリで叫んでいたのか…と、一人納得した僕であった。


さて、そんなわけで、どんなことをしても同業者を殺さなくてすむとかいう短絡的な思想の下、開始したしょっぱなから敵と見るや即戦闘して他の盗賊をリタイアさせたり、普通人にやるかそれ!?と思うようなえげつない罠や攻撃を仕掛ける盗賊たちが多く、というか君ら割かし出場券とかどうでもいいんじゃないの?といったレベルで宝の探索なんてそっちのけで戦闘していたり、そうかと思えば急に宝箱を見つけて奪い合いになったりと、てんやわんやである。


そしてAブロックの試合開始後2時間ほどたち、ようやく出場券が発見されて持ち帰ろうとした盗賊が倒され、結果的に最後まで残っていた一人の盗賊がそれを奪取して持ち帰り、盗賊の真髄を見せるようなAブロックの試合が終了した。


よって、本戦出場券一枚目を手に入れた盗賊団、「ブリッツ・シーフ」が会場にもどってきたところで、「ブリッツ・シーフ、おめでとおおおおう!!それじゃ、次の試合に行くぜ!!!!Bブロック準備しやがれ!転送は3分後だ!」という盗神パンの一言により、Bブロックの試合がはじまることになるのであった。


いや、マジで休憩無いんだこの大会…と、盗賊たちって元気だなーと人事のように思った僕であった。

盗神パンは普段は道化師の格好とかしてません。彼の悪乗りです。ちなみに毎年衣装は違います。

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