第二十話 ハジメ、OP(オーバーパワー)
さて、と、僕は宿へと戻ってきた。
帰ってきて、「ただいま!」といえるのはちょっと嬉しかったし、「おかえり!」と親父さんが言ってくれるのも嬉しかった。
それはさておき、僕は宿の部屋で魔法を発動した。宿の中に、僕専用の異次元を作り出す魔法である。この異次元の中には僕しか入れないし、中は僕の考えたとおりの部屋になっている。
というわけで、しばらくインドラの素材を使って色々なものを作ってみようと思ったのである。
ちなみに、どれだけの時間がかかるかわからないので、泥酔して眠っているサイアスの額には、置手紙を貼り付けておいた。内容は、しばらく趣味に没頭するので消えます。終わったら出てくるので、心配なさらずに。というものである。
では、早速。
まず、インドラの素材がいかようなものかを調べることとなる。
僕は特性や魔法を使って、彼の素材がいかようなものかを調べた。どうやら、彼の体を覆う甲殻は、伝導率が非常に高く、排熱や放電などに際し、ほんのすこしのロスもなく発することができる夢のような素材であった。
では、と、彼の体をこれまた覆っている絶縁体だが、これもかなり異常な物質であり、甲殻とは真逆で、熱も電気も通さない完全な素材であるようで、なるほど、これゆえに神という大層な名前ついているのだと一人納得した。
体内にある器官、つまり、電気を発生させる器官も電気石などとは比べようもない性能で、日本の都市を煌々と照らす電気をはるかに超える電気量を一瞬で発生させることができるようである。
ともすれば、と、僕はやっとこさ武器を作ることにした。
ここまでの超大量の電圧を発生することができるのなら、電磁砲だって作れると思ったので、内部を絶縁体で覆い、磁力を発生させる器官と甲殻を組み合わせ、自らが感電しないように外装をこれまた絶縁体で覆うと、携行可能なレールガンが完成した。
射出物、つまり弾丸だが、たくさん使うだろうし、だったらいくらでも手に入り、作り出すのも容易なものがいい。
ともすると、僕はこれに魔法を転用することにした。
そんなこんなで、弾装の代わりに、魔方陣を埋め込んだ自作のレールガンは、魔力を流しながら引き金を引くと、撃った直後に着弾する超高威力のプラズマを纏う拳大の土魔法製の弾丸を放つことができる、もはやオーバーテクノロジーといっても過言ではない武器となった。
貫通力、威力、弾速、命中率ともにいわゆる普通の銃とは比べようがないほどの一品である。というか、おそらくこれ一本でどんな魔物でも特大の穴をあけらるだろうし、神竜種特有の防御手段ですら、魔法エネルギー等を無効化する術式が弾丸にかかるようになっているがために余裕で無効にするだろう。
そして防御できない状態での属性爆発を伴う魔弾に直撃し、一瞬のうちに倒される…と思う。
ノリで作ってしまった感があるが、たぶん、これつかったら人間に戻れないんじゃないか?というレベルでオーバーパワーなので、魔力認証を付加し、僕以外の誰にも扱えず、僕からある程度はなれたら自動で僕の元へと転移するようにした。
名づけて、「ハジメ専用最終兵器・超電磁魔弾砲」である。
ためしに、と、インドラの死体を一部切り取って試射してみると、一瞬のうちに木っ端微塵となったので、その威力にも、とんでもないものを作ってしまったという事実にも、僕は大層驚愕したのは言うまでもない。
さて、お次は近接武器だ!と、僕は最強剣士という称号に見合うだけの武器を作ろうと思った。
試行錯誤して出来上がったのは、刃渡り1メートルほどの刀である。ひとたび抜けば雷鳴が鳴り、刀身は先のレールガンよりも強い高電圧をまとう。鞘はインドラの絶縁体。もちろん、柄の部分にもそれがまいてあって、僕自身は感電しないようにできている。また、柄の部分にはその発電機構が隠されていて、というか、インドラ自体のコアを丸ごと埋め込んである。
名前はそのまま、「雷神刀」である。切られた敵は、高電圧に焼かれ、体中の電気信号が混乱し、体のほぼすべてが麻痺。たとえ熱に耐性があろうとも、身動きが取れなくなるし、電気に耐性があっても、その熱に耐えられずに体が一挙に蒸発するような熱波に襲われ、大ダメージを負うことになるであろう。
しかも刀自体の重さは同じ大きさの木の枝よりも軽く、振っているほうとしては腕に負担もかからない。もはやノンスキルウェポンであるが、それはそれ、僕は最強剣士なのだから、技術もあいまって近接戦闘なら敵なしと言えるだろう。
これにもレールガンと同じく、魔力認証を導入し、僕以外では刀身を抜けないし、僕からある程度はなれれば自動で転移するようにもなっている。
僕は当然作り上げた刀を試し切りしてみたのだが、同じ素材であるはずのインドラの甲殻でさえあっさりと切断。さらに言えば、例の絶縁体でさえ抗うことなく切り裂けたので、どうやら別のなにかしらの効果が切れ味自体をも上げたようである。
余談ではあるが、刀身に使った外殻はインドラの角の部分であり、恐らくオリハルコンより硬く、磨耗にも強いので、この世界にあるほとんどの武器では傷つけることすらできないと思われる。
と、一度試し切りをしたところで、妙な声が聞こえた。
――我はインドラ。神鳴りの申し子なり。我が体を打ち砕き、よもやこのような武具を作り出すとは人間の域ではないと判断した。よって、貴殿に我が魂を預け、我の力を与えることとする。
――ハジメは、雷神の力を手に入れた!
――ハジメは、雷神に認められし魂の称号を手に入れた!
それきり声はしなくなったが、どうやらこれは契約イベント的なヤツだと悟った。
後にステータスを見てみると、あらたな特性が僕に加わっているようである。
というか、先日の一件から僕はさまざまな魔法や特性を手に入れたのでそれに伴いステータスで参照するところの僕に宿っている力が尋常じゃないことになっていたことを発見した。
ハジメ・アツカワ 20歳 男
総合評価:SS
筋力:SS 魔力:SSS(自動回復)
敏捷:SSS 話術:D
技術:SS
特性:
鑑識眼
モノづくり神
言霊の支配者
雷神の力(雷魔法免許皆伝、雷神流奥義免許皆伝、神鳴りの申し子、雷神竜の契約、雷神の加護、細胞の雷震、電気信号察知)
最強剣士(戦闘集中の極意、見切りの極意、受け流しの極意、武神の加護、武士の憧れ、+1の法則、超直感、絶対折れない!)
使用可能技巧:
能力閲覧
雷神流奥義全種(雷鳥、落雷、遠雷、神鳴葬斬、鳴神、火雷、裂雷、雷音頭、伏雷、雷雲招来、疾雷、旅雷、居雷、閃却万雷、雷沼、連鎖爆雷)
受け流し
見切り
オーラチェンジ
ボイスチェンジ
使用可能魔法:
空間魔法(無限倉庫、転移、異次元開口etc)
闇魔法(偽装、隠匿etc)
氷魔法(造型ブリザード、アイシング、アイスボール、ピラーズピアースetc)
土魔法(造型、グランニードル、アイアンプラスetc)
雷魔法(充電、サンダーボルトetc)
称号:
現世最強魔法使い
最強剣士
魔法剣士免許皆伝
氷極の智慧
大地の智恵
雷公の智壊
常闇の智廻
次元の智叡
平行世界からの開拓者
行き過ぎた制作業
雷神に認められし魂
災厄を退けし者
偽りの名前
百発百中の射手
常識を超えた者
これはとうとう、本気で人には言えない感じのステータスになってしまったなと、僕は思った。いつのまにか、ミジンコの称号も消えてるし。
とにもかくにも、こうなったらヤケだ!と、僕はさらにいろんなアイテムを作った。というか、作ってしまった。
没頭して気づけば5日ほど経っていたようである。久しぶりの外の空気はおいしかったが、親父さんはいつのまにか消えていつのまにか戻ってきた僕をしかりつけた。
「心配かけさせやがってよおおおおおお!」
まるで本当の父親のように怒ってくれたので、やっぱり僕は嬉しかったりするのである。
雷神流奥義は使用場面で説明を入れたいと思います。
なので、雷神の力の特性で手に入った特性を説明します。
雷魔法免許皆伝:すべての雷魔法を使用可能になる。
雷神流奥義免許皆伝:雷神流の奥義をすべて会得、使用可能になる。
神鳴りの申し子:電子を思うがままに操ることができるようになる。どんな生き物が放った電気でも、自然界の電気でも自由に操れる。
雷神竜の契約:雷竜種と敵対しなくなる。また、すべての雷竜種との対話が可能になり、インドラ以外であれば使役が可能になる。
雷神の加護:雷雲を意のままに操ることができるようになり、その中に姿を隠したりすることができるようになる。また、自由に雷を発生させることができるようになり、電気属性のダメージを受けると、ダメージではなく体組織の回復に変換できるようになる。
細胞の雷震:体内の電気信号を増幅し、体中に電気を纏うことができるようになる。また、その状態だと身体能力が大幅に上昇し、音速に近い速さで行動することが可能になる。
電気信号察知:生き物が筋肉に命令を出すために発生させる電気信号の流れを察知できるようになる。そのため、敵の動きを先読みすることが可能になる。




