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後付け強化系転生者ハジメくんの異世界漫遊記  作者: 結佐
第一章 ハジメ、異世界に立つ
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第六話 ハジメ、異世界初のモノづくり

「…は?そんなもんでいいのか?」


怪訝な顔をするお頭。だがしかし。


「はい!それで大丈夫です!」


僕は自信満々だった。


「ふーん…まぁ、そんなもんでこの世界にないもん作れるってんなら、ほんとに嘘じゃねえかもなぁ。いいぜ。オイ!今言ってたもんもってこい。」

「ハッ!」





そして数分後、鉄が数キロ、木材数枚、砂糖とブドウが1キロほど届けられた。


僕が何を作るかというと、何を隠そうアイスキャンディーである。実は、この世界には冷たい食べ物という概念が未だ存在していないのだ。


まず、氷魔法を使えるようにしなければ。


「僕は、氷魔法が使えます。」

「ん、そうなのか。」


――ハジメは、氷魔法を覚えた!

――ハジメは、氷属性耐性のスキルを手に入れた!


よし、準備はオッケーだ。


「まず、鉄で型を作ります。」


モノづくり神の特性を発動し、鉄を材料にして型を作る。


「ほう、そんなことできんのか。」

「なかなかの加工魔法だな。初めてみた。」


「型を作ったら、今度はボウルというものを作ります。」


同じく、鉄を材料にしてボウルを作る。


「あんな丸いもん作れんのか。」

「削っているわけでもないし、ハンマーを使っているわけでもない。なんとも不思議だな、まるで鉄が意思を持ってその形に変化しているみたいだが。」


今度は、泡だて器を作る。これは鉄で細長い棒を作って、木材で作った柄の部分に端と端を挿して完成だ。


「なんだあの道具。新手のおもちゃか?」

「どうやら、かき混ぜるために使うようだ。」


そしてボウルにブドウと砂糖を入れて泡だて器で混ぜてジュースにする。

その後型に流し込んで、木材で作った木の棒を型に挿し、氷魔法で氷付けにする。


「なんだ?果実酒に氷魔法使ってんのか?」

「む、食物を冷やすなんて聞いたこともないぞ。」


十分冷えたところで、型を開くと…できたぞ!アイスキャンディーだ!


「…できました!これは僕のいた世界ではポピュラーなアイスキャンディーというものです。」

「あ、あいすきゃんでぃか…で?それは食いモンなのか?」

「そうです!暑い日などにはこういう冷たいお菓子を食べて体を冷やしたりします。溶けないうちに食べてみてください!」

「ほーん。どれどれ。」


お頭は玉座から立ち上がると、型にはまっていたアイスをひとつとると、食べた。


「おお…?冷たくて甘い…ブドウの味がするがくどくねぇし口の中ですっと溶ける…初めてこんなもん食ったけど、なかなかうめえじゃねえか。」


お頭がそういうと、アッシュ(本物)も近寄ってきて、アイスをひとつ取って口に入れた。


「ふむ、これは確かに、暑いときにはちょうどいいかも知れんな。なるほど、こんな発想はこの世界には今までなかった。せいぜい氷をしゃぶる程度のものだったが、糖分まで取れるとは効率的じゃないか。」


その後、俺も俺も!とその他の盗賊の皆さんも近寄ってきてパクリ。「冷たくてうまい!」「新しい菓子だな、これは売れるんじゃないか?」「歯にしみるううううう!」という声が続々上がり、いくつか作っておいたアイスは全て売れてしまった。






「どうでしょうか?信じていただけますか?」


僕は、おずおずと訊いた。


「おう、こりゃ確かに、俺たちの世界では今までなかったモンだ。俺はてっきり果実酒でも作るのかと思ったが、おんなじ材料でこんなもんが作れるとは思わなかったぜ。あの加工魔法も今まで見たことはなかったし、作った道具すら俺たちの常識の中にはなかった。」


「それじゃあ…!」


「いいだろう、信じてやるよ。」


「ありがとうございます!」


よかった!正直に話してよかった!!!と、僕は思ったのだが、なんだろう、この違和感。なんか、忘れてる気がする。


「オウ!…で?」


「え?」


この時点で嫌な予感はしていた。すごく、すごく嫌な予感が。


「いや、テメーの話も聞いたし、テメーが別の世界から来たってことはわかったけどよ、状況は変わってねえんじゃねえか?」


「…と、いいますと?」


「いや、だからよ、テメーが死ぬことはかわんねーってことだよ。」







「ええええええええええええええええ!!!???で、でも、チャンスをやるって…」

「ああ、言ったよ。でも、テメーを無事に開放してやるとは言ってねぇし、ましてや殺さねぇなんて一言も言ってねえぞ?」

「た、たしかに…」

「だろ?んじゃ、言い残すことはあるか?」

「…し、死にたくないです。」

「そりゃぁ、無理な相談さな。第一、部外者にアジト見られちまったんだ。そりゃ外に出すわけにはいかねえよな?」


よくよく考えれば、確かにそうである。向こうからすれば、自分のアジトの入り方も場所も頭や幹部の顔まで知られている部外者だ。


「ど、どうすれば助けてくれますか?」


「うーん、実際、人は足りてるんだ。仲間もいらねぇしなぁ。死んでもらうしかねえかな?」


…つ、詰んだ?

ハジメくんは基本的にこんな感じです。

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