生存
第六章
生存
三日後、目を覚ますと、木々の生い茂るジャングルの中にいた。
微かな記憶を辿ると、地面に着地した後、飛行船に再び乗せられ、医務室のベットで寝かされていたはずだ。
それがなぜこんな所にいるのか。
すると、あの電子音声がなり、
「2ndステージ、ミッション、サバイバルバトル。現在、プレイヤーは30名。少なくとも、一名の撃破が最低条件。以上。」
15名がすでに脱落、もしくは死んだということだ。
身体は疲労でガタガタ。こんな状態でバトルになれば、必ずやられる。
どうやら、最低限の道具と食糧は配給されてるようだ。
しかし、寝床を確保出来なければ、野生動物の餌食だ。
かといって、実際問題、キャンプの経験すらなく、火の起こし方すら知らないのだ。
火という言葉でピンと閃き、仮面を着けてみた。
思惑通り、戦闘モードに変化していた。早速、刀を振り抜いてみる。
しかし、何も起きはしない。仮面を外すと、また一気に疲労感が襲ってくる。
そのまま苔むした木に腰掛け、新しい仮面を見つめる。
以前のものと比べても、メッキ処理がキレイになった程度で、他は変わりない。
空中での能力の発現はなぜ起きたのか。
そもそも、現在世界でなぜ能力が使えるのか。
しばらくそうして考えていると、足にモゾモゾとした感触がした。
次の瞬時、貼りでグサグサ刺されるような痛みが全身を駆ける。
アリだ。しかも、数千匹のアリが足を這い、噛み付いてくる。
かつて経験したことのない痛みに、のたうちまわり、大声で叫ぶ。
なんとか払いのけ、サバイバルキットから消毒液を取り出し、手当てを行なう。
日本にいた頃は、ひたすら勉強をさせられ、外で遊んだり、ケガをしたことなのどなかった。
日が沈みかけ、けたたましい鳴き声が次第に聞こえてくる。
寝床の確保も、火を起こすことも出来ないまま、ジャングルを彷徨い続けた。
配給された水も全て飲み干し、アリに噛まれた足は歩く度に痛む。
ついには夜になり、月明かりが暗闇に差し込む。
寝床の確保出来そうな場所を探して歩いていると、開けたところに出た。
炎の揺らめきが見え、誰か他の選手がいることがわかる。
闇夜に揺らめくその光は、何やら不吉だった。