Chapter1-5
短いですが、続きです。
ジャックは拡声器を取り出し、犯人に語りかけた。
「なあ、お手紙も素敵だけど、直接しゃべってみないか?」
「電話番号を教えろ。」
思い思いの服装をした犯人たちの中、1人だけスーツを着こなし全員に指示を飛ばしていた、恐らくリーダー格の男が返答する。どうやら携帯電話で会話するつもりらしい。ジャックは電話番号を教えた。
程なくして、電話が鳴り、応答した。
「やぁ、俺はジョン。ジャックと呼んでくれ。アンタはなんて呼べばいい?」
「ジョン・スミス。奇遇だな、アンタと同じ名前だ。」
ほんの少しの感情も見えない声で言い放つ。犯人の声は高くもなく低くもない。特徴をまったく見つけられない、まるでコンピュータと話しているようと思ってしまうような声だった。
ちなみに、ジョン・スミスとは日本で言う「山田太郎」のような名前。この名前を名乗る奴はたいてい偽名として名乗る。
「そうか。じゃあ、ミスタースミス・・・かたっくるしいの嫌いだからジョン。このパトカー20台はどうゆう事だ?」
「そのまんまの意味だ。パトカー20台、警官は1台あたり4人で80人、ここに呼びつければ自首する。早いとこ警察署の重役イスにふんぞり返っているお偉いさんに掛け合え。断るなら、自力で捕まえてみろ」
「なぜそんなまねを?」
「派手好きなんだ。ここに入ったのも目立ちたかったからだ。」
派手なんて言葉から、最もかけ離れた声でそう言い放つスミス。
ジャックとスミスの会話は、それから1時間近く続いた。
学校の期末試験が近いので、しばらく更新は中断します。
7月の始め頃から再開するつもりです。