簪
簪!つけたことないけど!
僕は行く途中、ある出店の前で足を止めた。そこには美しいいろとりどの簪が置いてあった。思わず見とれていたら店主が話しかけてきた。
「いらっしゃい!男なのに簪なんて珍しいね、見惚れちまったかい?」
「あ、すみません。あまりにもきれいで…」
「ハッハッハ、嬉しい限りだ、これ、全部おれの手作りなんだ。夏になると売れるんだよ。」
全部手作りか……、凄いな。とか思いながら見ていたらある一本が目に留まった。紫苑の花が集まった飾りから金色のチェーンが垂れた簪だ。よく見るとチェーンは稲穂のような意匠で、とても良くできている見ていると鈴華の顔が浮かんで、不思議と胸が高鳴った。
「これ、綺麗ですね。」
「お目が高いね、それ、この中で一番上手く出来たやつなんだ。毎年この屋台で売ってるんだが、あまり売れなくてね…」
簪を見つめるおじさんは、なんだか少し寂しそうだ。
「これ、ください」
僕はさっきのお礼も込めてこの簪を買うことにした。
「お!買ってくれるのかい?でもなんで…」
「助けてくれた人に、お礼がしたくて。」
「そうかい…なら綺麗にしておかないとね。」
おじさんは簪を丁寧にに袋に詰めると僕に手渡しながら安心したように微笑んだ。
「上手く行くといいな。」
僕はワクワクしながら簪を持って、奥でお菓子を買っている鈴華たちのところに駆け寄った。
鈴華は、喜んでくれるだろうか。
どうでしたか?鈴華へのお礼で買った簪。これがなにを意味するのか、シンはわかってるのでしょうか?なんにせよ、この後の展開が楽しみですね\(˙꒳˙ )/




