安堵
「あっ、すず、か……」
鈴華の小さな手から伝わるあたたかさが、僕に安心感を与えてくれた。
「手、すごく冷たい。」
僕の手をぎゅっと握りながらすこし可笑しそうに笑う鈴華に、僕はようやく落ち着きを取り戻してきた。
「鈴華、なんでここに?」
「お祭りを回っていたのに君が突然いなくなったから。もしかしたらはぐれたんじゃないかって、皆で探してたんだよ。」
「あ、僕、気づいたらここで、出ようとしても出れなくて…」
鈴華は何かを察したように僕の頬を撫でる。
「うん、もう大丈夫。」
そして、手のひらで僕の目を塞ぐと、何かをつぶやいた。
「─────、─────?」
音の輪郭が上手く掴めず、聞き取れない。
『縺昴≧繧………』
鈴華の声をした“なにか”が鳴いている。
「─────────────、──────。」
鈴華の声。
『縺ェ縺ォ繧医?……』
これは、“なにか”の声。
「──、──────────。」
少し低くなった鈴華の声。なにも聞き取れないけれど、怒りを感じる凛とした音だ。
額に風を感じる。目が塞がれていてわからないけれど、暗いのに光が見える気がした。
『縺弱c縺ゅ≠縺ゅ▲??シ?シ』
うめき声のような、悲鳴のような君の悪い声が聞こえる。
けれどその後に絞り出したかのような、かすれた声で、鈴華に語りかける声が聞こえた。
『繧「繝上…………』
「………………」
『縺ァ繧ゅ?√>縺壹l繝舌Ξ繧九?る國縺帙↑縺?h縲√◎縺?>縺??
』
「もう、目を開けていいよ」
鈴華は僕の瞼を優しく開いた。
「もう、目を開けていいよ」
鈴華の声が、今度は聞き取れる鈴華の声が、そう言った。恐る恐る目を開けると、そこにはあたたかく微笑む鈴華。
けれど、なんだか少し不安そうだった。
「鈴華、大丈夫だったの?」
僕はふと鈴華一人にしてしまったことを思い出し、震える声で聞いた。
「……うん。」
少し間を開けた。これは何か隠してる。鈴華は何かを隠すとき、応答に間が開くんだ。
でも、僕は鈴華のひみつを何も見つけられたことが無い。
そう思うと、急に胸の奥が重くなった。鈴華を不安にさせる何かが、たまらなく嫌になった。
「2人のところに戻ろう。シンのこと、心配してたよ」
「うん…わかった。」
僕はモヤモヤした感情を胸に鈴華のあとをついていった。
祭りの明かりの中に入る。鳥居のところにいたハルトと澪が心配そうにこちらに駆け寄ってきた。
「二人とも!心配した、ほんと、どこにいってたの!?」
澪が鈴華を抱きしめ、ハルトは相当汗をかいていたのか額を拭いながら僕の肩に寄りかかった。
「ほんとによかった…」
どうやら例の不審者が僕らを連れ去ったんじゃないかと不安になっていたそうだ。
「ごめんね、二人とも。シンが道に迷っていただけなんだ。」
鈴華は先程のことが嘘のようにつぶやいた。二人を不安にさせない優しい嘘なのだろう。
「それより、そろそろ花火始まるよ。見に行こ!」
鈴華が澪の手を引いていった。僕とハルトは2人のあとをついていった。
なんだか、さっきの鈴華とはまるで違う、普通の女の子に見えた。
どうでしたか?鈴華の正体に迫りたいですがなかなかたどり着けないシン。たどり着くことはあるのか!?\(˙꒳˙ )/




