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ヒットナンバー

作者: 今井キマリ

村井治長は、1982年にヒットを飛ばした。


初登場5位 真昼のソナタ


村井はヒットシンガーとして、毎日どさ回りだった。


しかし1992年、膵臓がんが見つかる。


闘病生活に入り、姿を消す。


妻のひよりの徹底した看病で、一命を取り留めるも、


再発もして、プロのシンガーとしては、


辛抱しなければならなかった。


1993年は夏の大ヒットがあるにもかかわらず、


村井の家は食べられない。農家の兄貴に、


野菜と米をもらい、子供たちは伯父さんから、


ときどきお小遣いをもらうだけで、さみしい


生活を強いられた。二人の兄貴は、正社員になると、


父親を酷く馬鹿にするようだが、ひよりは内心


嬉しかった。末の弟の学だけは、歌手になりたいと


父親に憧れた。治長は末息子をボンと呼んだ。


2007年5月月間ランキング1位


丸谷デフォー Eアイドル


"ボンが一位になった。やった、やった。"


アイドルとして学は一位になった。


それから出せば売れるトップアイドルになり、


治長は、本当に嬉しかった。


ボンは事あるごとに治長の話をした。


だから、相性は推しのなかでは、ボン。


2027年解散公演で、ボンから治長へ


思いもよらぬオファーがくる。


"父さん、歌ってくれないか。"


ボイストレーナーで生計を立てていた治長は、


"歌えるし、やる。"


とボンに伝える。


"ショーは中盤に入りましたが、


ここでコーナーを。ボンのお父さん、村井治長さんの


1982年のヒットナンバー 真昼のソナタです。"


治長はもう上手いが先行してしまう先生だが、


息子のスター街道に、


譲葉を添えるようにそっと歌った。





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