表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
0xJustice  作者: 鳳山 アルマ
第1章:反逆の始まり
5/5

Episode 5 ― 隠された手

白い蛍光灯の下、CGA作戦分析室の端末が静かに瞬いていた。

西園寺煉は、GhostNodeに表示された英人の返信文を読み終え、無言で画面を閉じる。


『正義に未来を問うのは、愚か者だけだ。』


(そうだ……昔の俺なら、間違いなくこう言い返していた)


Zion。

それはかつて彼が使っていた名。

国家規模のサイバー攻撃を個人で防ぎ、裏社会でも名を知られた存在。

だが、それは過去に封じた“もう一つの顔”だ。


弟が難病を患い、治療費目当てに家族が詐欺に巻き込まれた。

警察も行政も動かず、正義が役に立たなかったとき、彼は決意した。


「俺が“守る側”になる」――その覚悟のもと、Zionという名を殺し、CGAに入った。


だが今、再びその影が彼の中で目を覚ましかけている。


煉はデスクの引き出しから小さなUSBトークンを取り出し、マシンに挿す。

即座に起動したのは、Zion時代の独自ツール群。アクセスログ、独自プロトコルの通信モニタ、仮想環境で隔離された追跡用AI。


(君を“追う”には、かつての自分を蘇らせるしかない)


英人の行動は、予測不能だ。すでに複数の政府関連組織や企業が彼によって暴かれ、無力化されている。

通常の手続きでは到底追いつけない。


そこで煉は、CGA内に極秘の“独立対策班”を立ち上げる決意を固める。


Zion時代の旧知、今もCGAに籍を置く数名の特殊技術者たち。

(情報解析専門の七瀬、リアル調査に強い元公安の朝比奈、戦術AIとクラッキングに長けた榊原)

彼らに個別に暗号メールを送り、“Project-0x”という名のプロジェクトに招集する。


表のCGAには報告しない。上層部すらも巻き込まず、完全に“オフレコ”で動く。


「これは、俺自身へのケジメでもある」

煉は、操作を終えた端末を閉じ、立ち上がる。


白い会議室の窓の外、夜の東京の街がゆっくりと明滅していた。


「英人。君の正義がどれほど危ういものか……俺が証明する」


目を閉じると、Zionとしての記憶が、再び静かに流れ始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ