表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
0xJustice  作者: 鳳山 アルマ
第1章:反逆の始まり
1/5

Episode 1 ― 静寂の反逆者

この世界は、嘘でできている。


元セキュリティ機関の天才ハッカー・長谷川英人。

国のために築いた防衛システムの裏で、数々の不正や闇取引が見逃されていく日々に、彼は限界を迎える。


「正義は、もう動かないのか?」


名を捨て、社会から消えた男は、0と1の世界で“真の裁き”を始める。

ハンドルネーム《0xJustice》――ネットに突如現れた謎の存在は、世界中の犯罪者の悪行を暴露し、人々の目を覚まさせていく。


だがその行動はやがて、国家をも揺るがす禁忌へと踏み込み、

政府直属のホワイトハッカーたちとの命を賭けた頭脳戦へと発展していく。


正義とは何か?

復讐とは、誰のためにあるのか?


静かなる反逆者が、世界に裁きを下す――。


頭脳戦××裏切りと覚醒のハイテク、開幕。

薄暗いサーバールームの中、長谷川英人(はせがわ えいと)は独り、ディスプレイの光に照らされながらコードを走らせていた。

キーボードを叩く音だけが静寂の中に響く。セキュリティ機関・NCTU、その対サイバー犯罪部門の最深部。彼の才能は若くして政府の目に留まり、国家規模の防衛ネットワークの一翼を担っていた。


だが、その瞳は、もはや誇りではなく、虚無を映していた。


「……()()、見なかったことにするのか?」


英人は端末に表示されたログを見つめながら、つぶやいた。

政治家と大企業による裏取引の証拠。明らかに違法で、人間の命をもてあそぶような冷たい数字のやりとり。しかし、機関は何もせず、“国家の安定”という名のもとにデータは葬られていく。


「英人、お前は優秀だ。だが、現実は理想通りに動かない。理解してくれ。」


上司の神崎は、いつものように穏やかな笑みを浮かべていた。

その言葉に、英人はただ黙ってうなずいたふりをして、拳を握りしめていた。


()()()()()

自分はこの腐敗を守るために技術を使っているのか?

誰かが、間違っていると叫ばなければならないんじゃないか?


その夜、英人は静かに退職願を提出した。

誰も止めなかった。彼が去ることに、組織は何の感情も示さなかった。


数日後。

彼のハンドルネーム「0xJustice」が、ネットの片隅に現れた。


最初の標的は、海外の麻薬カルテルの幹部だった。

裏帳簿を記録したファイルを抜き出し、複数言語に翻訳して全世界へ公開。IP追跡を攪乱し、VPNやディープネットを駆使して足取りを完全に消した。


その一撃は世界に衝撃を与えた。

ニュースは連日、謎のハッカーによる告発を報じ、SNSは正体を巡る憶測であふれかえった。

多くの者が、0xJusticeを“新たな正義”として称賛した。


だが、彼自身はただ冷静だった。


「これは、始まりにすぎない。」


世界の矛盾と偽善に満ちた構造を、暴き尽くす。

腐敗の根を、一つ残らず暴露する。

そのためなら、法律も倫理も、彼の前では意味をなさない。


そして、政府もまた、静かに動き始めていた。

かつての同僚たちが、敵となって彼を追い始めることになるとも知らずに。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

これが『0xJustice』の始まり、第1話「静寂の反逆者」でした。


この物語は、元セキュリティ機関の天才ハッカーが、腐敗した世界に静かに、そして大胆に反旗を翻す物語です。

正義の形は一つではないし、時に正義は、誰かの悪になる。

そんな危うさを、この作品では描いていきたいと思っています。


主人公・英人はまだ動き始めたばかり。

これから彼がどんな告発をし、どんな敵と向き合い、そして何を失っていくのか。

ぜひ、最後まで見届けていただけたら嬉しいです。


それでは、次回「初めての告発」でお会いしましょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ