先が見えない探検家
とある鉱山で高価な宝石が出ると噂になっていた。
そんな高価な宝石を求めて、いろんな探検家がツルハシを持って山に向かった。
こんなツルハシが良いとか、ここを掘れば当たりが出るとか....。
いろんな溜まり場でそんな会話を探検家たちがしていた。
中にはチームを使って宝を探しにいく人達もいた。
そのブームに乗っ取り、
僕も夢を追う探検家として宝探しに鉱山に行くことを決めた。
実力もない、知識もない、仲間もいない僕。
ただただ、実行力と根気だけはある。
そんな自信はあった。
この二つがあれば、大きな宝物を見つけれると。
しかし、現実は悲惨だった。
仲間がいるチームは、たくさんの宝物を見つけて山分けした。
そして、楽しくやっていた。
また、実力ある探検家は、一人でも効率よく宝を探して行った。
それをみていた僕の心に、希望とワクワクを塗り替えるかのように
焦る僕。
妬む僕。
嫉妬する僕。
へと上塗りされてしまっていた。
心が荒んだ僕は、小さな宝物すら見つけることができない自分を、次第に攻撃し始めるようになった。
僕はツルハシすら握ることを諦めかけた。
現場に行ってもどうせ出ないと.....。
才能がない、実力もない、仲間もいない。
でも、心の中では諦めきれなかったであろう。
なぜならそこには涙目になりながら、鉱山を見つめてる僕がいたから.....。