魔王討伐?知らんな!
俺はクロノ。本名は黒野 慎太 日本人だった
16歳だがその割に身長は165cmと低め。
元サラリーマン
なぜ元なのかって?
のんびりスローライフをしたいからに決まってる!
中3の時にキャンプを初めてしたのをきっかけにキャンプに興味を持ち、田舎でのスローライフをするために知識を蓄え、体を鍛えていた。
だが高校3年の夏、父が体調を崩し倒れてしまい、さらに難病だったということで手術には大金が必要だった。
父は「自分の好きなことをしなさい」と言っていたがうちは父子家庭だったから普段から父に負担をかけていた。だがら俺はスローライフを諦め都会に近めのところに1人暮らしすることにした。
そして勉強して就職し金を貯めて手術費用を払い事ができた。だがそれまでに無理をしすぎたのと金を払えたという安心感によって眠気が凄かった。
ぼーっとしながら家に帰る途中、赤信号にもかかわらず突っ込んでくるトラックがいた。その進路には子供がいた。咄嗟に飛び出し子供を突き飛ばした。そして気づいたら俺は吹っ飛んでいた。
血が出ている。
誰の血だ?
俺の血だ。
子供はどうなった?
俺は重いまぶたを少し開けた。
子供は泣いていた。
良かった。無事だった。呆気なかったなぁ。
そして俺は〔黒野 慎太〕は死んだ。
ーーーーーーーーーーー
【と、言うわけ。理解した?】
「は、はぁ。何となく分かりましたけど。なんで俺を転生させるってことになるんですか?」
真っ白の空間にぽつんとある畳に置かれている座布団に座りながら俺は質問した
「今の異世界は生命の大樹である世界樹があと50年もしないうちに枯れて滅び、地球にも影響が出てしまう。故に君に何とかしてもらいたいんだ。」
そういうのは俺の対面に座っている神様だ
見た目は16〜18歳くらいの好青年の見た目で服装が和服。なんで和服なのか聞くと「ロマンだよ☆」だそうだ
・・・・・・
いや自分でやるのめんどいからやってくれってやつだろ。めんど
「そこをなんとか!君には隠し職業《大図書館》をあげるからさぁ〜」
土下座してきた。この人?は本気っぽいなぁ。
でもなぁ〜
「貴族出身にするしいろいろ特典をあげるからお願い〜」
「わかりました。転生してどうすればいいんですか?」
「世界樹の迷宮というSランクダンジョンがあるからそこのダンジョンマスターに方法は伝えてある」
そうこうしているうちに俺の体が透明になってきた
「異世界でも頑張ってねぇ〜」
ーーーーーーーーーーー
〜異世界:クロノsaid〜
転生してからもうもう10年がたった今俺は10歳になり、ある程度この世界の常識を身につけた。
この世界は剣と魔法のいわゆる異世界ファンタジーと言うやつだということ。
俺が生まれた貴族の先祖様は勇者の末裔であり、職業は必ずウィルソン家の誰かが勇者になり、勇者が現れた際は魔王の復活の予兆でもあると言われている
職業は10の洗礼式で授かる。
神様曰く俺は隠し職業である《大図書館》とやらを手に入れるらしい。
正直アタリだろうがハズレだろうが極めるのは決定事項だからなんでもいいという考えはある
そして洗礼式は明日ある。
何かあった時の荷物を準備して隠しておこう。
〜次の日〜
「クロノ。緊張しているのか?」
そう聞いてくるのは今の父〔ガルパ・ウィルソン〕。ウィルソン家現当主である
「少しだけです父上!」
「我慢しないでいいのよ?なんなら抱っこしましょうか?」
こっちは今の母〔ライナ・ウィルソン〕。母はとても優しいが怒るとまじで怖い。うん、怖い。
「大丈夫だし、抱っこしようとしないでっ」
〜洗礼の儀〜
「次、クロノ・ウィルソン」
「はいっ」
司教の前にたち置かれている水晶に手を触れる。
「職業は《鍵》」
〜洗礼式の後:ウィルソン家〜
「フーム、《鍵》か。聞いたことない職業だな。」
「似たような職業の《鍵開け》はあるのに不思議ねぇ」
「もしかしたらクロノは将来大物になるかもな!」
「楽しみねぇ」
一方のクロノ本人はと言うと
〜自室〜
「言ってたことと違うじゃん。まぁ元からどうでもよかったけど」
もしあの神に今度あったらとりあえず文句言っとこ
「にしても職業《鍵》か。鍵かぁ。何か開けるのかな?」
・・・・・ん?開ける。何かを開ける。
「ま、まさかな?」
俺はあの真っ白の空間に繋がる『扉』をイメージしてドアノブの《鍵》を持つ。右手で鍵を差し込み開けた。そこにはあの神がいた
「ふぇ?」
・・・・・・・・
俺は無言のままテレビに鍵をするイメージをして鍵をかけた。これからは《施錠》と呼ぼう。
なぜテレビをロックしたかって?
この神えっちなゲームをしていた。
「なんでここにいるの?」
「それより俺が《鍵》の実験をしている時に説明もしないでえっちぃゲームですか。へぇ〜」
「あわわわ、いやそのこれはなんと言いますか、そのー、えっとー、あのー、許してくれますか?」
「許さないよ☆」
そう言って神に向けて《施錠》を使い、神の股を思いっきり蹴った.......
あとは察しな…
〜しばらくして〜
「しゅみましぇん。ちゃんと説明しますからどうかもう蹴らないでぇ〜。これ以上はまじで潰れる」
「わかりましたから。説明してくださいね。」
「実は、上位神のオラリオ様にダメだって言われて、カスジョブ《鍵》をあげたんだけど。本来来られないんだよ?ここ」
「カスジョブねぇ〜」
「あっ」
ニコッと笑い神を以下略
〜休憩〜
「全くカスジョブじゃないんだが?」
「なんでなんすかね」
「なんならその上位神とやらを呼ぶってのは?」
「無理っす。オラリオ様は上位神で自分は下位神なので無理っす」
「んじゃ帰るわ。じゃあね〜」
自室に戻って
「あとは訓練あるのみだな!」
キツめのトレーニングをして行くぞ!
〜6年後:王立学園『シラガコ』〜
「ここが王立学園か。予想よりでっかいな。」
俺は16歳になり、王立学園に入学することになった。
父上には問題ないと言ったが「同世代の友達をつくりなさい。それも経験の一つだ」と押し通された。
他にも色んな生徒が入学するっぽいな。
ちなみに俺は父ではなく母の性を名乗っているため〔クロノ・ウィルソン〕ではなく
〔クロノ・ダズリュール〕と名乗っている。
なので貴族階級も下がって大公から伯爵となっている。
すっごい下がった。まぁ別にいけど
ん?なんかあっちで揉めてんなぁ。
行ってみるか。
ザワザワと人が集まっていて、中心で騒ぎが起こっているようだ。
「私の家族をバカにするなっ!!」
「バカにするも何も真実だろ〜。貴族殺しのライルオ男爵家、それが真実だろ。」
「このっ!」
怒りに任せて攻撃しようとしている。
まずいと思った俺は《施錠》して動けなくした
「申し訳ないけど、争い事はやめましょうや」
「んだと。誰だよお前」
「初めまして私は伯爵家の〔クロノ・ダズリュール〕と言います。以後お見知り置きを」
「伯爵ごときが出張ってんじゃねぇよ。失せろ」
「それは無理な申し付けですね。これ以上は見てられませんから」
突っかかっていた貴族は公爵家だからだろうな。
金髪のイケメンで公爵家。横暴なのも何となく分かるけどさすがにやりすぎ感はある。
貴族殺しと言われていた女の子の方は赤髪の短髪で可愛い子。貴族殺しの噂が何とかって父上が言ってたような、言ってないような。
「伯爵家の分際で公爵家に楯突くとは。痛い目を見せてやる!見よ!俺様のジョブは『魔道士』だぁ《火球》!!」
直径30cmくらいの火の玉が出た。
「危ない!!逃げてっ!」
と、赤髪の子が言ってきた。
確かに危ないな。床が焦げたら洗うの面倒だから
まぁ消せば問題ないんだけど
「はい、おつかれさん。《解錠》」
そう言うと火球が消えた。
原理は簡単。
《施錠》が固定する。
逆に《解錠》は解放する。
だから火球という魔法そのものを解放したことで消滅した。
「なっ!!馬鹿な、ありえない」
「さてどうする?」
「ふんっ。今日は調子が悪かったようだ。運の良い奴め」
そう言ってどっか行ってしまった。
「ふぅ」
「あの助けて貰って置いて申し訳ないんだけど、私にかけた魔法といてくれない?」
「あ、やっべ。すまんな。《解錠》」
「凄いです。ここまでお強いとは」
「改めてクロノ・ダズリュールだ。気兼ねにクロノでいい」
「私はリリィ・ライルオという。よろしく頼むクロノ殿」
「いやクロノでいいって」
「いえ、助けられた身ゆえ、これでも様付けせずに殿に抑えたのよ」
「ダメだ。これ以上殿を付けるならこっちだって様付けするぞ。あと敬語不要!」
「むっ、わかり、いえ、わかったわ。クロノ」
学園生活か、楽しみだな。
俺はワクワクしながら入学式の会場へ向かうのであった。