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雨詩  作者: 雨宮雨霧
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話さない。

最後にちゃんと話したのはいつだったっけ。

ちゃんと話したことなかったっけ。

覚えていないくらい話していない。

ただ姿を見かけるだけ。


話したいとも思わない。

思わないから話さない。

話したくない理由はなんだったっけ。

誰もが否定するようなことを否定しなかったからだっけ。


それが嫌だったんだろう。

否定してほしいわけではないけれど。

いつもと違う人に出会ってしまった。

それが嫌だったんだろう。


今日も姿を見かける。

目が合わないように。

観察しながら。

話さずに終わっていく。

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