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いってきます
暗くなるのが早くなって
真っ暗になった部屋に居ると
何だか不安で
何だか寂しくて
君の名前を呟く
窓を開けっ放しにすると
冷たくて強い風が吹き込んで
カーテンがひとりでに動く
君の帰りを待つ僕には
不安を煽る音となる
秋の夜は少し冷えて
身体を丸くして君を待つ
気付けば夢の中へ
明るい部屋で暖かい部屋で
君の笑顔を見る夢を
玄関の扉が開く音がした
一目散に君の元に走って
ただいま、そう言いながら
いこっか、そう言いながら
君と一緒に川を渡る