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とけない記憶
久しぶりに開いたアルバムに目を通す
君が映っている写真だけを探して
君だけを記憶の中に閉じ込めて
君との思い出だけと生きていく
随分とこの長い時間が経ってしまった
私を思い出す暇もないのでしょう
こんなにも想われていることも
君は知らずにいまを生きている
どこまでも真実だけが残っていく軌跡
拙い会話も文章も忘れたのですか
それでもいいと思ってしまった
君には君の人生を生きてほしい
久しぶりに開いたアルバムを仕舞って
雪の解けた静かな空間で笑い合う
あの瞬間は紛れもなく結晶の灯
君との思い出だけは色褪せない




