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雨の暗さに
雨の日は暗い
雨の降る前の湿った風を身に纏い
開け放たれた窓から身を乗り出して
向こうの山を見ながら枯れ木に目線を移す
雨の日は暗い
自然と頭は無になって感情も無に
開け放たれた窓の外にこぼれ始めた
雨は静かに街中を覆ってなにかをもたらす
雨上がりの空
分厚い雲の隙間から覗く淡い青に
吸い込まれてしまいたいと手を仰ぐ
山にかかった霧はうろうろ辺りを歩き回る
雨上がりの空
気付けば降るような星空に変わり
澄んだ風は頬を撫で笑うように去る
街灯の照らす水たまりは哀しそうにゆれる




