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夏の終わりを
夏の終わりも近付く頃に
別れたあの人は元気だろうか
また来ると言いながら何年経っただろう
私はもうすぐこの世界から旅立つというのに
夏の終わりを囁く緑の葉
恨みたいくらいに青さを増す
また来るなんて嘘を吐かなくていいから
期待も希望も、夢も持たせないでほしかった
夏の終わりを感じながら
部屋にこもった暑さを浴びる
風のない窓の外に身を乗り出して流した
星屑は頬を伝いながら手の甲にひと粒落ちる
夏の終わりも近付く頃に
ふと思い出したあの頃の日々
また来ると言いながら来ないのでしょう
ええ、私もきっとそちら側の人間であるのね