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言の葉
君がくれた言葉は全部胸に刺さって溶けていくんだ
溶けるように、澄んだ声で
ありがとう、なんて云って
やっぱり僕は君に忘れられたくなんてなかったんだ
残りたいんだ、記憶の隅に
憶えていてほしかったんだ
引き出しに閉じ込めて、ふと思い出したときにでも
見返せる場所に、眠らせて
そのときはきっと光るから
君の人生の、ほんの少しの時間をくれてありがとう
君との時間は誰も奪えない
僕自身の財産のようなもの
君がくれた言葉を思い出しながら紙に綴っていこう
溶けるような、筆先は走る
ありがとう、なんて書いて