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祈る
核心を突かれまいと言葉を濁す
そんな姿を笑って流してくれた
心地よいまでの一線を引かれた
静寂なあの広い空間を思い出す
狭い世界で生きていた私だった
狭い世界に絶望もしていた私だ
そんな世界を撫でるかのように
立場も感じさせないものだから
守れるものなら守りたいと思う
必ず守ってみせるとは言い難い
そう思えるくらいに特別だった
触れることももう叶わないのに
見上げる空が清く美しいもので
悲劇などではないものであると
信じるしかない無力な私は祈る
この星空に君も私も居ないこと




