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三年間の日常
春
桜とともに
散っていく
君と出会い
別れが来て
夏
蝉も夏バテ
嫌なくらい
空が青くて
空が眩しい
秋
どんぐりを
拾い集める
無心になる
時間が好き
冬
かじかむ手
ストーブに
近付ければ
溶けてゆく
春
別れて一年
連絡もない
元気ならば
それでいい
夏
熱い砂浜は
まるで鉄板
海に入れば
傷が痛んで
秋
紅葉の上に
寝転がって
影のない雲
見上げても
冬
毛布に隠れ
冬眠をする
外は寒いし
寝るに限る
春
新しい命が
芽生えては
新しい物語
始まる予感
夏
打ち上げた
花火は空に
何度も散る
まるで心だ
秋
夜になれば
虫が音色を
奏でている
寂しさあり
冬
張り詰めた
空気に負け
肌が痛んだ
息すら白い