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しずかに
しずかに振り続ける雨
どこかで濡れて凍えていないだろうか
どこかで震えて泣いていないだろうか
どうして僕はこんなに無力なのだろう
どれだけ君を想っても頭は撫でられず
しずかな公園のベンチ
傘も差さずに濡れていくてっぺんから
滴り落ちる涙のふりをした硝子の欠片
この世界の何処かで君が生きていると
信じ込んでも心はどうにも埋まらない
しずかに振り続けた雨
助けを呼ぶ声すらかき消していくから
大丈夫だなんて嘘をつかせてしまうの
その度に自分の無力さを嘆いて泣いて
きっと何処かで生きていると信じ込む