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淡い思い出
淡い青に重なる夕日の淡い橙
ブランコの漕ぐ音が響く公園に
ふたつのスカートがなびいていく
手を取り合って笑い合う帰り道も
今となっては遠い過去の記憶になった
どこに居ても忘れないからと
ブランコを漕ぎながら言っては
忘れたらごめんねなんて笑っては
心はなぜか寂しいような気がして
今はもう戻れない日々を思い出すだけ
淡い青に重なる夕日の淡い橙
薄くなるふたりの影は重なって
いたずらっぽく笑った顔は寂しく
手を取り合って約束を交わしても
今はそれすら忘れて食卓を囲んでいる