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ひとりの夏
コップにカルピスを入れる
シュワッと音を出す炭酸水を注いで
軽く混ぜて一口流し込んだ
そんな蝉の声が響く夏の日
あなたの居ない日々も少し
慣れたようで慣れてはいないようで
やさしい青の朝顔は元気に
今年も綺麗に咲きましたよ
灯りに吸い寄せられる虫と
同じように灯りに吸い寄せられては
ベンチに座って口ずさんだ
あなたが歌っていた子守唄
冷凍庫をガラリと開けても
アイスを食べにあなたは来てくれず
よく食べていた甘い味すら
少ししょっぱく感じる夜で