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雨上がり
雨が強まっては弱まっては止んで
まるで私みたい
感情が急降下して急上昇していく
好きが溢れては
海の底のような場所まで沈んでる
雨になって感情を土砂降りにして
溺れるくらいに
手を伸ばした先の揺れる水面すら
宝石より輝いて
どんどん遠くなっては沈んでいく
濡れたくなるような冷たい雨すら
傘で弾かれても
想いが目に触れるだけでいいから
ありがとうって
伝えられるならもう沈んでもいい
最期は見上げたくなるような空が
水たまりに映る
なにも残せないのならせめて傘の
花ではない花を
雨上がりの下に咲かせてみせるよ