255/415
桜を散らす
桜を散らす冷たい雨
弱まって強まってを繰り返す
冷えた窓に手を当て
散りゆく桜と雨を見つめてる
桜を散らす冷たい雨
ずっと同じ景色などないのだ
そう云っているよう
分かっていても心は寂しくて
桜を散らす冷たい雨
落ちるたびに揺れる水たまり
花びらはそこで泳ぎ
涙をこぼさなくても大丈夫と
桜を散らす冷たい雨
思い出は色褪せることはない
記憶の中は鮮やかに
咲き誇る桜があるのだろうと
桜を散らす冷たい雨
流れていく花びらを追いかけ
その先に見えた景色
波の立つきらきらとした海よ