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カーテン越し
カーテン越しに光る月は
開けずとも綺麗に見えて
暗い部屋すら照らしては
朝が来るまで見守ってる
窓を開けて月を見上げた
眩しいくらいに光っては
心の穴を抉るようにして
空が透明になるまで居た
戻れない苦しみは後悔と
懺悔に溺れていった夜に
そっと光る痩せた月すら
もう見上げられなくなり
真っ暗な闇に放り込まれ
もう動く力もなくなって
月はどこにも見当たらず
ただ暗闇に飲まれていく
風はカーテンを揺らして
窓の向こうを見ろと云う
瞳に映った最後の月夜は
目を閉じても見えるよう