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瞳を泳ぐ
木々を彩り始めた新しい葉
風になびくやさしい色たち
もう少しだけがんばろうと
そう思えたとある昼下がり
夜はまだ冷えて肌寒いけど
季節は変わっていっている
夏は苦手だけど好きだから
うれしいようで寂しくある
燃えている命が尽きるまで
この星空と浮かぶ月を見て
届くわけがないのに伸ばす
その手を握りしめていたい
いつまでも同じ景色はない
どこまでも同じ景色はない
この一瞬の景色を覚えても
いつか忘れる日が来るんだ
瞳を泳げる日が終わるまで