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隣には
もっと早くに出会えていたら
なにか違ったのかもしれない
でもこの短い期間だったから
これほどに大切になったんだ
桜の散る夜の道を一人で歩く
隣に居たらもっと綺麗なのに
そんなことを思っても隣には
静かな空気だけが漂っている
どこからか聞こえてくる風鈴
桜とともに散っていくような
そんな音色を奏でていくから
一つの筋が頬を伝っていくの
ベンチに座って月を見上げて
明日がまた来て時間が過ぎて
隣に居なくてもきっと大丈夫
もう花の蕾もひらく春だから