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髪
今はないあの頃の長い髪
区切りをつけるためでもあった
ただ楽になりたいだけでもあった
鏡に映る髪は今はもう短くなった
最後まで自分で居たくて
終わるその日まで長い髪だった
最後まで自分のままで居たかった
最後の記憶は自分のままがよくて
後悔しているわけでない
それなのに寂しい気持ちになる
区切りをつけられないままだから
こんな気持ちになってしまうのか
今はないあの頃の長い髪
絡まる気持ちはほどけずにいる
楽になりたくないとさえ思ったり
鏡に映る自分はもうそこに居ない