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また桜の散る道で
ゆっくりと流れる時間
ぽかぽかと暖かい道を歩く
あなたの居ない春が来たと
実感などしたくなかったよ
忘れかけていた歌を口ずさむ
あなたの居た最後の春を思い出す
あなたが居ても居なくても
時は残酷に過ぎていくから
風の音とゆれる木漏れ日に
あなたと話したあの日を思い出す
あなたが忘れてしまっても
私はずっと覚えているから
ゆっくりと流れる時間
ぽかぽかとしながら歩いた
あなたの居ない季節が巡る
いつか会えるのでしょうか
また桜の散る道で