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夏のキオク
ひゅ〜、という音ともに咲いて散る
夜空を彩って儚く散る花のようになりたいと
君の横顔を見ながら思ったりもした
君を照らすあの花のようになりたいと思った
ふたりで見たあの花々を思い出した
君は覚えているだろうか、君は今を生きているからね
今年も君と見られるのかなと思いながら
七日目のそうめんをすすって食べる
扇風機の風になびく君の髪が綺麗で
思わず声が出てしまった、君は笑ってありがとうと言う
君が目の前に居るのも当たり前ではなくて
生ぬるい風が身体に触れる夏を思い出す