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あのとき
あのときみたいに空気が冷たい
あのときみたいに雪は降らないけど
あのときみたいに君は居ないけれど
あのときみたいに手先が凍りそうだ
空気の冷たさに君を思い出した
雪の降る冷たい街を思い出していた
雪が降らなかったら君に逢えたのに
そう思っていたあのときを思い出す
青空が雪を解かしていったから
雪だるまも短い命を終えてしまった
君と会えたからよかったんだけどね
命は儚くてすぐに朽ちていくのだと
あのときみたいに寒くなったよ
寒いのが苦手な君が少し心配だけど
君の好きな季節はすぐに来るからね
雪が解けたらまた君に逢いたいんだ




