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雨詩  作者: 雨宮雨霧
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失われた声

春。

あなたは声を失った。

明るい声は出なくなった。

もう一度聞けるなら。


様子がおかしい。

冷や汗をかいて。

震えるあなた。

只事ではない。


場所を変えて。

話を聞いてみる。

震えた手で書かれた。

声が出ないと。


夏。

数ヶ月経った。

あなたは学校も休んだ。

なにかできるなら。


様子を見に行く。

誰とも話せない。

筆談で話すあなたは。

泣いていた。


秋。

紙の上で会話をする。

声を出せるなら。

怖くなくなるなら。

いいのになって。


あなたの苦しみ。

僕には計り知れない。

何もできなくて。

ごめんなさい。


冬。

白い吐息と微かな声。

僕の前では少しだけ。

話せるよって。

笑顔で言ってくれる。


よく頑張ったね。

辛かったね。

声を聞けて。

嬉しいよ。

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