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ミス・ローゼンベルクとの対面

朝食前にひと騒ぎあったが、問題は特にない。

朝食を味わいつつ急いで食べ終わると、自室に戻るとジヴァがドレスを用意して待っていた。


青いドレスか…悪くないかも。

私の記憶を持つ前のグリムヒルデは黒っぽい色のドレスばっか着ていた。


白髪がコンプレックスで隠すように頭巾を被って…物語の悪役みたいな出で立ちであった。


「今日は髪の毛を下ろしたいの」


ジヴァにそう告げると、いつもの頭巾は被らないのですか?とジヴァは驚いたように聞く。


「えぇ、必要ないわ」


キッパリとジヴァに言うと、ジヴァはわかりましたと一言。

そしてゆるく髪の毛を巻いてくれた。


「メイクは薄めで優しげな感じにしてほしいの」


グリムヒルデのメイクは母から教えられたメイクであり、舐められないように強い感じを演じだしていた。


でも元々顔が怖いんだもの、そんな必要はない。

ジヴァのメイクの腕前はなかなかのものだった。


悪役から少し憂いのある中ボスには進化したのではないだろうか?

例えがよくわからない?まぁ、いいわよ。


広間でロナウドが紹介してくれたデザイナーが来るのを待っている間にユイが戻ってきた。


「少し外してしまい申し訳ごさいません…女王様の部屋の前に悪戯したメイドを追いつ…追いかけて、脅…諭ししきました」


ユイさーん、隠せてない隠せてない。

追い詰めてとか、脅したとか物騒なワード出ちゃってるよぉ〜。

まぁ、ユイがメイドを懲らしめたのなら私がやることはないわね。

これ以上やったらオーバーキルよ。


しばらくするとジヴァが部屋に来た。

ジヴァはなんとも言えないような顔をしている。


「女王様…あの…ロナウド様が紹介してくださったデザイナーのミス・ローゼンベルク様がお見えです。」


「そう、ありがとう!」


売れっ子デザイナーなミス・ローゼンベルク。

忙しいのに一日で来てくれた感謝も込めて出迎える。


「よく来てくれました、ミス・ローゼンベルク!歓迎しま…す」


ミス・ローゼンベルクの姿を見て、一瞬ボーッとするもハッとなりなんとか持ち直す。


顔はとてつもなく美形。

オーラが黄金色である、キラキラしていて目に辛い。

だが格好がこの世界では受け入れられないであろう。

結論、ロナウドが紹介してくれたミス・ローゼンベルクは男であった。


ミスってついてるから女だって思うじゃん!

幸いミス・ローゼンベルクを呼んだのが自室なため、前もって手鏡を持っていなくても念話でクローゼットにいる魔法の鏡にコンタクトをとることが出来る。


「鏡!鏡よ、鏡!答えてちょうだい!」


『やれやれ…鏡使いが荒い女王様だ。そんな強く呼び出さなくても聞こえておるわ』


「彼についてわかる情報をちょうだい!」


『ほほぉ?…これはまた面白い経歴の持ち主だな。隣国の第3王子。衣服に興味を持ちその道に進もうとするも周りの貴族から嫁だの跡取りが必要だと縁談を持ち出され、女のようなメイクに女の装飾をし、変人だと偽ることで縁談から逃げ切ったようだ。』


「なるほど…デザイナーとしての腕はどう?」


『安心するがいい。1級品の腕だ』


それだけ分かればいい、鏡の審美眼はユイで立証済みである。


「初めまして女王様、ミス・ローゼンベルクと申します。よろしくお願い致します」


そう言うとミス・ローゼンベルクは優雅に女の人の礼をとった。

ロナウドめ、癖の強いデザイナーを紹介してくれるじゃない?


ミス・ローゼンベルクはにっこりと笑っているが、わかる。

これは腹の中では笑ってないやつだ。

むしろ挑発的な目をしている。


憶測だが、デザイナーの世界は基本女の社会である。

男は政治、領地管理、財政。

女は社交、刺繍、美容。

住み分けがされていた時代…相当な差別を受けてきたのではないだろうか?


これから自分の勝負服を作ってもらうのに、そのデザイナーによく思われてないっていうのはやりずらいわね。


さて…どうしようかしら?

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