ようこそガス室へ (短編)
ようこそガス室へ。
僕の名前?知ったところでどうするのさ。
もうすぐ死ぬってのに。
おや、怯えてるのかい?
君も災難なヤツだなこんな所に送られるなんて。
なぁに怖がる事はない苦しいのなんて一瞬さ。
僕?僕は怖くなんてないさ。
何てったって今からこのガス室から
抜け出してやろうと思ってるんだ。
なぁこんな話を知ってるかい?
生物は酸素を吸う事で老化が進むらしい
要は酸素を吸い続けると人は死ぬってことさ。
生きるために必要な物は
実は自分の首を絞めている
つまりこの世に生を受けた時点で
ガス室行きってことさ
まぁそんなに落ち込むなよ
意外と世界も悪くないぜ。
おっとそろそろ時間だ
このロープを何に使うのかって?
それは秘密さ。
僕はここでもがき苦しむなんて御免だけど
君なら耐えられるさ。
じゃ、またな
また君と会える日を楽しみにしてるよ
たまには明るい文を書きたいな