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プロローグ
ああ。
あああ。
思い出した。
思い出してしまった。
悲しさに顔を歪めながら、本当に申し訳なさそうに、ただ一言ゴメンねと呟いた彼女のその姿が。
彼女にソックリで。
つい思い出してしまった。
キッカケなら、これまでにもたくさんあったハズなのに。
なぜこのタイミングで思い出してしまったのだろうか。
・・・こればかりは、考えてもしょうがない。
それに、こうなってしまった以上俺のすることは決まったのだ。
でも、まだ俺には“ソレ”になる覚悟が足りていない。
恐れられ、憎まれ、忌まれる。人類の敵。
“魔王”になるその覚悟が。