御ヵ月ノ夜空。彼の瞳は殺戮に酔う・・・。
天帝サイドのお話を短めに書いてみました。
遥か上空に浮かぶ仄暗い砦。
天帝軍と称される悪鬼どもが住まう砦である。
天帝の長、「御ヵ月ノ夜空」は酒をあおっていた。
ニヒルな様で上品さと粗暴さを兼ね備えた様な風貌・・・。
天女の様な女性たちが宴で舞い踊っている。
「ササラの顔が見たいものだ・・・。」
(あの女は眩いばかりに美しかった・・・。
今一度・・・彼女に出会えないだろうか・・・。
この腕で抱きしめ、口づけ、殺められたら・・・。
それこそが最高の私の幸せだ・・・・・・・・・。
殺めども殺めども生まれ変わるあの女巫女・・・。
かの娘を愛している・・・。この手で壊してしまおう・・・。)
酔いが回った所為もあり、粗暴な願望は増すばかり。
「七瀬」と云う名の天女の1人が酌をつごうとする。
すると、その手を乱暴に跳ねのけた。
「触るな・・・!!!」
「申し訳ございません・・・・・!!」
七瀬は土下座をして許しを乞う。
「殺戮の宴を始めたいものだな・・・。
下界の下賤の民を贄として我が前に持ってくるがよい。」
また、・・・
彼の身勝手な欲望の所為で・・・、
邪神による殺害が起こる・・・。
天帝とは「神」の如き存在でありながらも
実に残酷な悪鬼悪霊なのだ・・・。
続。
次回、またしても天帝の魔の手が現世、つまり下界で起こされる。
紗々羅は天帝の魔の手を退けることが出来るのか・・・。