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ササラガミ  作者: 薫姫
17/23

勇丞のピンチ。新たなる刺客に対峙する紗々羅。

戦闘モードに入ります。

新たな刺客との戦いの始まり。

比奈子に別れを告げ、「すぐ帰る」と約束を交わした

勇丞はリュックに武器を詰め込み、紗々羅のいる神社に向かう。


途中、コーラが飲みたくなり、自販機で購入。

ガラン!と音が転がり、コーラの缶を取り出す。


プシュッと音を立ててプルトップを開けた。

少し泡立っていて零れたがそのまま気にせずに飲む。


ぽたり・・・と零れ落ちた雫が地面に沁み込む。


半分ほど飲み干した時だった・・・。

後ろから小さな女の子の声がした。

「おにいちゃん・・・。」

振り返る勇丞。


其処に居たのは、この世の者ではない幼女だとすぐに感知した。


ババッと翻し、戦闘態勢をとる。

缶のコーラは坂を転がり落ちていった。


「なんだい?お嬢ちゃん。俺は女の子でも容赦しないぜ?!」

キツイ口調で威嚇する。


「おにいちゃん・・・。すきなひとがいるんでしょう?」


「?!!」


「ひなこちゃんっていうこ。しんじゃってもいいの?」


「まさか!!比奈子に何かしたんじゃないだろうな!お前!!」

焦りと怒りと混乱が彼を襲う。


「やっぱりおにいちゃんだったんだ。みかづきのよぞらさまを

ころそうとたくらんでいたひとって。」


「天帝軍の使いだな!はいもう、決定!!お前倒すよ!!」


「いたいのはいやだなぁ。みやびちゃん、いたいのはきらいだぁ。」


「みやびちゃんとやら、痛いのが嫌いなら俺に歯向かわない事だな!!」


「くすくすくす・・・・。」


「何が可笑しい?!!」


「しぬのはおにいちゃんのほうだよ?みやびちゃん、いたくもないよ。」


みやびちゃんと名乗る幼女はレインコートを羽織り、長靴を履いていた。

雨も降っていないのに奇妙な格好だ・・・。


(普通の女の子に見えるが・・・。敵なのか?!操られてるだけだったら、

俺は手が出せない・・・!!こんな時、紗々ちゃんだったらどうする?!)


むやみに攻撃に踏み切れない勇丞。

彼は優しすぎて、無防備に見える女の子に危害など加えられないのだ。


「おにいちゃん・・・しんで・・・?」


そう言うと、その幼女の体からメキメキと木の枝が触手の様に

伸びてきて、物凄い勢いとパワーで勇丞の体を締めあげた。


「ぐあっ!!!」


「くすくすくす・・・。くるしい?ねえ、くるしいでしょう?」


攻撃できなかったのは何処か、風貌が比奈子に似ているからだった。


「みやびちゃんねえ。もとはにんげんだったの。でもしんじゃってね?」


(何か語り始めたぞ・・・。何の意図でこんな・・・!!)


「あめのひにとらっくにはねられたの。でもね。しんだらいたくなくなった。

たすけてもらったの。みかづきのよぞらさまに。」


(御ヵ月ノ夜空だと?!!天帝軍の長じゃねえか・・・!!

なんでそんな悪い奴が子供を助けた・・・!!?)


締め付けている枝がミシミシと体に食い込み、痛みが増す。


「ささらさまは?いっしょじゃないの?」


「紗々・・・ちゃん・・・は・・・ここには・・・いねえ・・・よ。」


苦しそうに問いに答える彼。


「なあんだ。じゃあ。もういいよ。おにいちゃんはここでしんで?」


幼女の手から飛び出したナイフの様に鋭い刃物が勇丞の腹に命中した。


「ぐはっ!!!かっ!!」


血反吐を吐き、倒れる勇丞・・・。


「・・・ひな・・・こ・・・・・・・。」


その時、比奈子に嫌な気配がしていた・・・。

「・・・勇くん・・・?」


気になった比奈子は紗々羅の住む神社の電話番号に

急いで電話をかけた。


「もしもし、紗々羅さん?!!勇くんが・・・!!」


「え?!もしかして、比奈子さん?!!」

受話器を取った紗々羅はすぐに察知した。


「何があったの?!教えて!!」


「勇くんが生きてる気がしない!!!」


「?!!わかった!!今から外に出るから貴方はそこで

大人しくしててください!!!」


受話器を乱暴に置き、電話を一旦切り、涼に向かって叫ぶ。


「勇丞くんが危ない!!助けに行くわよ?!!」


「わかった!!俺も急いで一緒に行くよ!!」


風呂上がりだった涼は頭からタオルを巻いていたのを急いで取った。


「彼の気配のする場所を霊感で感知する!!少し時間かかるけど

待ってて!!勇丞くん!!!」


念じる様に指を組み、呪文を唱える。


目を見開いて次の瞬間叫んだ。


「曲がり角の自販機前!!」


「視えたのか?!!場所が!!」


「イメージがね!!走っていくのは間に合わない!!

転移の術を使う!!エネルギー使うけど言ってらんない!!」


袖口から聖水を出し、周りに結界を貼る。

「転移術!!ササラガミ!!力を貸して!!」


そう叫ぶと紗々羅は遠くの勇丞の元に辿り着いた。

テレポートの一種である。


涼は置いてけぼりになっていたので若干苛立っていた。


「場所は自力で行けってか?もう!!」


勇丞の血だらけの姿に驚き、駆け寄る。


「あんたがやったのね?!天帝軍!!!」


「うふふふ。やっとおでましだね。ささらがみのおねえちゃん。」



続。


みやびちゃんと名乗る敵。

ほんの幼女の姿の敵にどう立ち向かうのか!!

そして、瀕死の重傷を負った勇丞は・・・!!

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