幽閉される庵南。
御ヵ月ノ夜空に出会う庵南・・・。
続きになります。
「美しい髪の少女だな・・・。」
御ヵ月ノ夜空は扉が開かれるなりそう彼女を称した。
「金仙・・・。よくぞやった。遊毒の方は残念ながら
奴等の手で処分されしがな・・・。アレの代わりなど
幾らでも創れる。また天帝軍の力で遊毒よりも強い
女仙を創る・・・。待っているがいいササラ・・・。」
「お姉ちゃんを知ってるの?!おじさんっ!!」
金仙は慌てて青ざめた顔になる・・・。
「おじさん・・・?誰に向かって言っているのかな?
お嬢ちゃん・・・。私は怖い男だぞ・・・。それ以上
醜い口をきくと酷い目に遭わせるぞ・・・。」
「ひっ・・・!!」
庵南は涙ぐんで身をすくめる思いだった。
「私は今機嫌を損ねた。この醜い小娘を早う幽閉せよ。」
金仙に向かって伸びた長い爪を向け、命令した。
「御意・・・。」
金仙は庵南の手を掴み、外へと出る。
ギイイーとまた扉が閉まろうとしていた。
閉まる瞬間見えたのは御ヵ月ノ夜空の怒りに満ちた恐ろしい
形相の顔だった・・・・・・。
「何処へ連れていくの?いやっ!!離してよおっ!!」
金仙は彼女の顔を見ることもなく淡々とこう告げる。
「貴方は人柱・・・。人身御供の身・・・。
清らかな処女のまま、神殿にて凍らされる運命にあるのです。」
「何を言ってるのかわかんない・・・。」
「そうでしょうね・・・。貴方はまだそんなに幼い・・・。」
そうこう会話をしているうちにとうとう南の神殿に辿り着いた。
「結界を破壊します。待っていてください。」
金仙の額のツノが金色に光る。
キイイイイーと高い音が鳴り、辺りは振動する。
「きゃああああ!!」
吹き飛ばされそうになる庵南の腕を掴んで離さない金仙。
バコウッ!!!
結界が破られ、扉は開かれる・・・。
「ここは・・・。なに・・・?」
すると、ドンと庵南の背中を押し、中に閉じ込めた。
「何をっ!!」
驚くのも無理はない。突然後ろから押されたからだ。
神殿に押し込められると・・・。
にょきにょきと蔦の様なものが這ってきて
庵南の体にまとわりつく。
「きゃああああああ!!」
叫びも虚しく、彼女は蔦に捕らわれ、
氷漬けの神殿にくくりつけられてしまう。
「あああ・・・ああ・・・・・・・。」
眠りにつく様に気絶する彼女・・・。
周りからパキパキと氷が張り巡らされる・・・。
「幽閉」。
まさにこれが「幽閉」であり、「人身御供」なのだ・・・。
続。
とうとう敵の手により氷漬けにされてしまう庵南・・・。
次回は紗々羅サイドのお話になるかと思われます。




