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ブックマスター  作者: けいえむ
1章 召喚されて異世界
8/21

7 10層ボス攻略

初の戦闘シーン

ついに、10層に降り立った一行。


「水木。このフロアの魔物は、どんな感じかわかるのか?」


「11層の魔物が先行で出ることがあるようだが、特殊能力も無いし問題ないと思うぞ」


「そうか……よし!ならこのまま進もう!」



このフロアーの魔物も、一行には特に問題なく対処出来た。


「かずくん。それも全部本に載ってたの?」


「ああ、このダンジョンを攻略しつつ、マッピングした人が本を残していてな」


「魔物の情報とかも?」


「それは、魔物図鑑と併用してだけどな。あとは、宝箱の場所とか色々書いてあったな」


「かずくんは何でも知ってるんだね」


「いやそうでもないさ、本に書いてあった事言ってるだけだし」



と、少し進んだところで和也が有馬に声をかけた。


「有馬」


「なんだ?」


訝しげに、和也を見る。


「そこの壁に、隠し扉があるはず……後は、罠もあるはずだ」


なんの変哲もない扉を指さして、和也はそういった。


「本当か?」


「このフロアを攻略した人が、間違ってなければだがな……篠塚。お前罠師だろ?罠の解除出来るだろ?」


と、篠塚に聞いた。


「なんでお前が、俺のスキル知ってるんだよ!」


「本に書いてあったからな」


「だからって、お前なんかの言う事聞けるかよ!」


篠塚は、和也の言う事を聞こうとしない。流石の有馬も、この篠塚のわがままには口を出した。


「篠塚!そんな事言ってる場合じゃないだろ!」


「ちっ仕方ねーな!」



なんやかんや言いつつも、罠をしっかり解除した。


「水木。この先には何があるんだ?」


「宝箱があるはずだ……このダンジョンは宝箱が元に戻るなら、中身があるはずだろ?」


「そうか!隠し扉の先の宝箱なら、良いものがあるかも知れないな!」


少し進んだところに宝箱はあった。宝箱には、罠などは無かった様で、問題なく開いた。中には……一冊の本が入って居た。

有馬は、若干残念そうな顔をしつつ


「本なら、水木が持ってた方が良さそうだな……お前に渡すよ」


「ああ。今は攻略中だし、帰ってから調べるよ」




その後は何事もなく進み、フロアボスがいるはずの場所に到着した。


「水木。このフロアのボスはなんだ?」


「キラーアントって言う、アリの化け物のはずだ。基本的にはアントと変わらないが、大きさから攻撃力から防御力から、何もかもが倍以上ある」


「それなら、そこまでは強くなさそうだな」


「ああ。だが、防御力も倍以上だから、生半可な攻撃は通じないと思う」


「だとすると、裕子とかは辛いかもな」


「えーっ!せっかくここまで来たのに戦えないのー!」


と、有馬に言われ残念がる。


「触るのが嫌じゃなければ、みんなが前を攻撃してる隙に後ろに回り込んで、足を折ったり腹を破いたりとか、してもららったりとか出来るけど」


と、和也がフォローした。


「うっ……それは流石にちょっと嫌かなー。仕方ないから今回は私は控えに回るよー」


「ザコがいると思うんで、それの相手は出来るだけ頼む」


「りょーかい……次から、かぎ爪でも用意しようかなー」


「あと、委員長。魔法なんだけど、耐性が強い為あんまり効かないかもしれない」


「なら、私も控えですか?」


「関節や腹を、風系とかで攻撃して貰えば、他の魔法よりは効果はあると思う」


「ならそうします」


「剣なんかの攻撃も、関節や首を狙えば良いと思う。虫系は、首とか取れても攻撃してくるから、完全沈黙まで気をつけた方が良い」


そう注意した。


「注意はそれぐらいか?ならそろそろ行こう!」


有馬が、号令を出そうとしたが、楓がちょっと待ったをかけた。


「どうしたんだ楓?」


「戦闘中の指示も、水木君に出して貰ったらどうかな?」


と周りに聞いた。有馬や大木達が難色を示す。


「ちょ、ちょっと待て神崎!俺は指示とか出来ないぞ!」


と流石に楓を止めた。


「そうだぞ楓!指示なら、俺が出すから問題ないだろ!」


「水木君なら、冷静に判断出来ると思うし、全体見てる人が指示した方が良いと思うよ?鋼君だって、攻撃あるんだし難しいでしょ?」


「それはそうかも知れないが……」


あくまでも有馬は止めようとするが


「良いんじゃない?」「有馬君も、攻撃あるししかたないよね」


など、好意的な意見が多く出て来た。


「なら、水木君に決まりだね?では、水木君お願いします」


「はー、わかったよ……なら、指示を出させてもらうよ」




こうして俺達は、ボスのいる部屋になだれ込んだ。

本の通り、敵はキラーアントだった。その他には、アントが5体居た。


まず、裕子に支持を出す。


「太田。ザコは任せたぞ!何人か、戦士系を連れて行ってくれ!」


「りょーかーい。あんたとあんた、ザコを殲滅するよー!」


裕子は、数名の戦士系のクラスメイトを連れて、ザコの殲滅に向かった。



次に、伊集院に


「伊集院。ガードを連れて行って、キラーアントをななめ前から攻撃!」


「美しい僕が攻撃しよう!君ついてきたまえ!」


大木を連れて、キラーアントの正面に陣取る。大木が、行く前にこっちを睨みつけてた。



次に、委員長に


「委員長は、ウィンドカッターで足の関節を狙ってみてくれ!」


「わかったわ!ウィンドカッター!」


委員長は、魔法を唱えて攻撃した。



次に由紀


「沢渡は、委員長が攻撃してる反対側の足を頼む」


「了解した!」


委員長の、反対側にまわり攻撃を開始した。



そして、最後に有馬


「有馬は、委員長が攻撃してない側面から首を攻撃だ!」


有馬は、返事をしないで言われた事を、実行し出した。



「残りの騎士達は、残った戦闘系連れて後ろに回り込んで腹や足を攻撃してくれ!」


「了解!」


残りの、クラスメイトや応援の騎士達は、キラーアントの後ろに回り込んでそれぞれ攻撃を開始した。


「あかりと神崎は、俺の近くで待機。神崎は、俺の合図無くても回復する時はしてくれ!」


「はい!行くよチロ!」「わおん!」


「了解!」


あかりは、何かあった時のフォローと、恥ずかしながら、俺を守って貰う。もちろん俺だけじゃなくて、神崎もだからねっ!



裕子は、ザコをものの数分で殲滅してきた。アント自体は、前に戦ってるので楽勝だ。


「ザコの殲滅終わったよー。私はどうするー?」


「気持ち悪いのはわかるから、無理に行かなくても良いぞ。でも、やばそうなときは頼む」


「なら、観察してるかなー」



ガードが攻撃を食らって居る間に、伊集院はななめ前方から、キラーアントの顔や首を攻撃


「うつくしーっ!」


硬さに顔をしかめるも、どんどん攻撃を与えて行った。



委員長の、ウィンドカッターは多少聞いてるようだが、まだそれほど効果は見られない。


「1回では無理ですか…それなら!ウィンドカッター×5!」


風が、カッターの様に飛んでいく。


1回では効果が無かったが、5回連続で当てた所、ブシュ!!と言う音と共に、キラーアントの足が1本吹き飛んだ。


「5回は、当てないといけないみたいですね……魔力はまだ十分ですし、どんどん行きます!」


続けざまにウィンドカッターを唱え、二本三本と足を落としていく。



そこまで落とした所で、キラーアントの態勢が大きく崩れた。



沢渡は、キラーアントが態勢を崩した瞬間「閃!」という、かけ声とともに剣を振るった。一気に三本の足が落ちた。



ここぞとばかりに、後ろから騎士達が、側面からはクラスメイトが、そして首の部分を、有馬が攻撃していく。

キラーアントも、バタバタもがきながら、口や足で果敢に攻撃してくる。


「うわっ!」「くそっ!」


キラーアントが暴れた時に、何人かは軽い怪我を負った。


「神崎!」


「はい!ヒーリングサークル!」


怪我は、瞬く間に楓によって治された。




今や、キラーアントの命は風前の灯

まだ首こそ落ちて居ないが、大半の足は取れ、腹は破れている。

そして、動きがたえだえになった所で、有馬が「うぉーっ!」と、気合い一閃。ザシュッ!という音と共に、首を落とす事に成功した。




首が落ちからも、しばらくはごそごそ動いていたが、その動きもついに止まった


「やったぞ!フロアボスを倒したぞ!」「やったー!」


みんなも大喜びだ。


そして戦闘に参加した人々が、みんなお互いをほめ合っている。


「かずくんやったね!」


俺も、思いのほか嬉しかったらしい……。ついつい、あかりを抱きしめてしまった。

チロも俺達の周りを走り回ってる。


「かっかずくん!」


「あ、ごめんつい」


「えっと……別に、嬉しかったから良いんだけど」


顔が真っ赤なあかり。そこに神崎がやってきて


「あかりちゃん達、相変わらず仲良しだねー」


「水木君お疲れ様」


「そっちこそな。見事な回復魔法だったぞ」


「今回は、怪我人少なくて良かったよ」


「かずくんの指示のおかげだね!」


「うんうん」


「いや、みんなが優秀だったからさ」


そこに、委員長がやってきた。


「いえ水木君。素晴らしい指示だったと思いますよ」


「委員長こそ、凄い魔法だったじゃないか。あの魔法のおかげで、戦いが楽になったよ」




そんな会話をしていると、大木達がやって来た。


「おいおい!ここに、自分は何もやってないくせに、英雄気取りの奴がいるぞ!」


「水木は、本に書いてあった事を、偉そうに言ってただけじゃねーか!」


「水木が偉いんじゃなくて、本を書いた奴が偉いんだろ!」


と、罵声を浴びせてくる。



戦闘に直接参加してないくせに、あかりや楓達から褒められている事と、戦闘中とはいえ、和也の言うことを聞いてしまったのが悔しかったのだろう。


「お前ら!せっかく勝ったのに喧嘩は止めろ!」


有馬が、話に入ってくる。


「大木達の言いたい事もわかるけど、水木が役に立ったのも事実だ。今回は、大目に見てやってくれ」


(わかっちゃうんだ……)


「俺は別に、英雄気取りでも偉ぶっても居ないよ。全員がOK出した訳じゃないの、指示しちゃったのは事実だから、不快に思ったんなら謝るよ」


和也は、有馬や大木達にそう答えた。


「わかってくれれば良いんだ」


(やっぱり有馬も、俺が指示出すのをムカついていたって事だよな)


「ああ、済まないな。次からは、弱点とかだけ教えて後方に下がってるからさ」


「そうしてくれると、今回みたいな喧嘩にならずに済むから、よろしく頼むよ」


「それより有馬。あそこに宝箱が出てるぞ」


「あ!キラーアントを倒したからか!役に立つものが出ると良いな!」


と、面倒なんで話を逸らした。


「かずくん。謝る必要無いのに!あの人達って、毎回毎回何なの!」


「後々めんどくさいから、あのぐらい謝るのは問題ないよ」


「でもっ!」


「まあ、気にすんなよ……って神崎や委員長は、ニヤニヤ笑ってるし理由は勿論わかってるんだよな?」


と、ニヤニヤ顔の2人にいう。


「そりゃあねえ」


「わからないのは、本人ばかりってやつですね」


「まあ、煽ってあかりに直接被害及ぶより、俺が謝って済むならそれで良いよ」


「相変わらず熱いなー」


「ですね」


「もう!皆もなんなのー!」


「と言うわけで、次は指示出さないぞ神崎」


「あ……ごめんねこんな事になっちゃって……」


「別に良いさ」




あかり達と会話のしている間に、宝箱の罠などを確認後開けた。


「これは杖か……鑑定スキル持ちが今居ないから、帰ってから検証してみよう」


「この後11層に降りる事になるけど、10層と11層の間に転移門があるはずだ。それを設定すると、1階の入り口から転移出来るらしい」


「そうなのか!ならその転移門を設定してから、安全ゾーンの先生達を連れてきて1回帰ろう!」




こうして10層のボス戦は、大きな問題が起こらず終了した。


ちなみにボス戦で手に入れた杖は、回復力が増す杖だったので、楓が装備する事になった。

なかなかムズくて上手く書けなかった

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