5 訓練
迷宮攻略、戦争に向けて訓練が開始されました
訓練が始まった
光チームは、王国の騎士団長や筆頭宮廷魔術師など、王国の強い人々が集まり訓練をしている。
戦士系、魔法系、回復系のチームも、王国の強い人が集まっている。
特に、光チームは成長が凄いらしく、さっそく迷宮の低層に挑戦するとか。
ただ戦士系チームの佐藤仁は、訓練サボってメイドさんとかにちょっかいかけてるらしい
そんな中、特殊チームはと言うと……
和也は王国の図書室に入り、本を読みふけっていた。
(魔物関連の本は、あんまりないみたいだな……ある程度読んだら、早めに国立の図書館に足を延ばさないと。しかし、読書き理解のスキル無いと、文字が読めないとは思わなかったな)
あかりはと言うと、魔物を使役するにしても、いきなり外には出れないので(守備兵がつくにしても)まずは体力作りをしている。
篠塚は現在あかりと同じトレーニングをしている為、仲良くなろうと必死で話しかけたりしている。
「夢野さん!休憩一緒に取らない!?」
「あ、いえ……私は平気ですから」
「そうなの?無理しないでね!なら僕も付き合うから、一緒に頑張ろうよ!」
「ええ、そうですね……」
「今度の外での訓練一緒に行こうね!俺が君を絶対守ってみせるよ!」
(うるさくて訓練に集中出来ないよ……)
あかりや、他クラスメイトの白い目に気が付かず、上機嫌であかりに話しかけている。
話が、続いてると思い込み気を良くしたのか、篠塚はこんな事をいい出した。
「水木なんかじゃ、君を守るのは無理だからね!そうだ!同じチームなんだし、俺達もっと仲良くなった方がいいよ!普段から一緒に居ようよ!」
しかし、この言葉は流石に聞き捨てならない。
「かずくんの事悪く言わないで下さい!貴方になんて守って欲しくありませんし、一緒にいたくもありません!失礼します!」
「えっ!?」
怒って去っていくあかりを、篠塚は茫然と見送るのだった。
そして、一行が召喚されてから一か月ほどが過ぎた。
光チームは、迷宮の低層を難なく進んで行き、そろそろ10層のボスフロアに挑戦するみたいだ。
この迷宮は、10層毎にフロアボスが居て、強力な武器やアイテムを落とすらしい。
そしてボスフロアは、ボスを倒さない限り上にも下にも進めなくなる為、慎重に準備を進めていた。
「初めてのボス戦か!良い武器とか手に入れば、国を救う為にも大いに役に立つな!」
「そうだね。ちょっと怖いけど、回復は頑張るよ」
「楓は俺が守るからな!」
「ありがとう鋼君」
「皆も頑張ろうな!」
と、チームメイトに話しかける有馬
「新しい魔法覚えたし、早く使って検証したいものです」
と千葉里香が、眼鏡をくいっと上げながらがいう。
「いいんちょ流石だねー。って、私も早くどれだけ強くなったのか力試ししたいわー」
と太田裕子
「私も、新しい技と剣を早く試してみたい」
と沢渡由紀
「カッコいいこの僕が、負けるはずがない!大船に乗った気で、いてくれたまえよ!」
と、伊集院王子が手鏡を見ながら言う
「王子は相変わらずだな……だけど何が起こるかわからないし、出来る限り準備を進めておこう」
このメンバーが、勇者一行のメインパーティー光チームである。
ここで結城桃子が、光チームに他のクラスメイトの近況を報告した。
「現在、渡君が錬金術で薬を、水木君が国営の図書館に行って迷宮の事や、魔物について調べています。また他のチームの子達も力を付けてきているので、迷宮を進む時に力になってくれるでしょう」
「水木ですか……」
「有馬君どうしましたか?」
「いえあいつは、国を救うのに否定的だったのに、なんで参加してるんだろうと思いまして」
「ああ、その事ですか」
微笑む桃子
「そりゃ決まってるでしょ?」
と、ニヤニヤしながら、口々に言う女生徒達
「え?皆なんか知ってるのかい?」
「ありゃ……こうっちにはまだ早い話題みただねー」
と裕子が言うと
「ですね。彼にはまだ早い話題でしょう」
と里香だ答えた
「なんだよ教えてくれよ!」
「その辺りは自分で考えないとねー」
そんな感じで、光チームの会議は過ぎて行った。
一方図書館の和也はというと……
(あの迷宮は、まだ30層までしか攻略されてないのか、しかも29層は地図も半分しかないみたいだな……別に、迷宮攻略が目的じゃないから問題ないだろうけど、一応頭に入れておくか)
と一息ついて考える。
(あかりはどうしてるかな?俺は、ほとんど調べものばっかりだから、あいつの方が強くなってそうだな)
と、苦笑いをしつつ、調べる作業に戻った。
和也は、朝に軽くランニングをして、その後少しの基礎訓練をするのみで、後はずっと調べものをする日々だった。
そしてそのあかりは……
特殊チームの数人のメンバーと、護衛の騎士とで外に出てレベル上げを頑張っていた。
「騎士さん。この辺りで、一番強い魔物ってあの子ですか?」
「そうです。個体名はウルフになります。仲間にされますか?」
(私には、少しだけど戦う力がある。かずくんに守って貰ってばかりじゃなくて、私も守る力が欲しい)
「はい。強いのであれば仲間にしたいと思います」
「分かりました。我々がサポートいたしますので、頑張って仲間にして下さい」
「はい!」
そここで、空気を読まず篠塚が……
「夢野さんあの狼を仲間にするんだね!僕が君を守るからね!一緒に頑張ろう!」
相変わらずな篠塚だった。
もう飽きれたのか諦めたのか、クラスメイトも騎士達も相手にぜずに、ウルフを仲間にする為に行動を開始した。
ちょっと変な男が多すぎるかな?