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ブックマスター  作者: けいえむ
1章 召喚されて異世界
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2 謁見

またまた会話が長い

もう少し縮められるようにしないと

勇者一行が部屋で休憩している頃王の私室では……


「父上、勇者様方が今お部屋に入りました」


「ご苦労。お前の目から見て勇者達はどうだった?」


「何人か面白そうな方がおりました」


「ほう……」


「もの凄い真っ直ぐな方がおりまして、あの方は能力値がよければ、勇者の称号を得られるかも知れません」


「それは楽しみだな」


「あと一番楽しみなのが、私が色々説明した後に皆様が声を出せずに固まって居た所、真っ先に正気に戻られて色々質問されて来た方がおりましたわ」


「頭が回る物が居るのか……鬼が出るか蛇が出るか」


「まあその方は恋人さんでしょうか?ずっと手を繋いでおられる方がいて、その方のためかも知れませんが……」


となんかギリって音が聞こえた


「愛する者を守るためか、そう言った者は強くなるやも知れんな……ってアンリエットよなぜワシを睨む?」


「あ、いえ何でもございません事よホホホ」


「ま、まああれだ。謁見を楽しみにしておくとしよう、謁見にはお前も出るようにな」


「はい勿論です。召喚した者としてしっかり面倒見させていただきます」




そして数時間が過ぎ謁見の時間が来た。

謁見の間に集められた勇者一行。

今度は流石にあかりも手は繋いでないけど、しっかり横に着いてきた。

大木達の視線がウザい。


王国からも大臣ぽい人や、騎士・衛兵みたいな人などかなりの数が参加しており、なかなかの人口密集具合だ。

と王国側の人が緊張したと思ったら


「ウィレム・F・ユースティア様ご入場」


との声が上がった。

その声の後に、国王らしき人とアンリエットさんが入って来た。

って国王すげー強そうなんだけど……2メートルぐらいあるしすげーごついい……あの人一人で戦争勝てんじゃね?

そんな事を思っていたら、国王が王座に座って声を発した


「勇者諸君。召喚に応じてくれて感謝する。我国は現在危機に瀕している。ぜひ皆の力を借り、この危機を脱したい!我国に力を貸して欲しい!」


そう言って立ち上がって頭を下げた。アンリエットさんも続いて頭を下げていた。

国のお偉方が慌ててるから、まさか国王と王女が頭を下げるとは思わなかったんだろう。




とここでお約束の有馬節が炸裂した


「国王陛下頭をお上げ下さい!僕達勇者一行は、この国の為民の為、力をお貸しする事に決めましたから!」


(おいおい!まだ誰も決めてねーよ!)


またまたの有馬の独走に、皆声を出せずに居る


「ありがとう勇者よ。名はなんと申す?」


「はい!有馬鋼と申します。コウとお呼び下さい!」


「ではコウ。皆が手を貸してくれると言う事で宜しいのかな?」


「はい!勇者として召喚されたのであれば当然の事ですから!」


(ちょっと待て!どんどんやばい方に話が進んでるぞ……先生も他の奴らも完全に口ポカーンだし)


と思ってたら、隣でまたあかりが震えてた……そりゃそうだよな。

なんか勝手に話が進んでるし、下手したら戦いたくない奴も戦うって言質取られそうだ。

仕方ないかと思い、あかりの手を握り落ち着かせてから発言した。


「国王陛下宜しいでしょうか?」


「うむ構わぬ。お主の名は?」


「水木和也と申します。彼はこう言ってますが、まだステータカードも作れていません。戦える能力があるか、称号はどうかなどまだわかりません。ですので全員戦争に参加出来るかは、この場では決めれないと思います」


「そうだな。能力自体では、今は良くても後々戦う意思を持てない者も出るであろうしな」


「ですので誠に申し訳ありませんが、参加の有無は、後日改めてお願いしたいと思います……宜しいでしょうか?」


「勿論かまわぬ。今すべてを決める事もあるまい……その辺りは、明日以降アンリエットと決めてくれ。皆もそれで良いかな?」


生徒達の硬直が溶けて、カクカクと首を縦に振っていた。


「では謁見は終わりにしよう。晩餐会の部屋まで案内させるので、存分に楽しんでくれ。我々も後から行こう」


と謁見が終了した。




あかりと、手を繋いだまま廊下を進んでいると有馬が追って来た。あかりを神崎に頼み相手することにした。


「おい水木!みんなが国の為に立ち上がろうとしてる時に、お前はなんで水を差すんだ!」


(いやみんなって誰の事だよ……)


「お前のせいで、保留の奴が出たじゃないか!みんなの足を引っ張るな!」


(えー)


「みんな参加するって、誰がいつ言ったんだよ?少なくとも、俺やあかりは言ってないぞ?それとも、俺ら以外は全員OK貰ったのか?」


「別にOKなんて貰ってない!でも、勇者として召喚されたんだからみんな運命共同体だ!全員参加するのが当たり前だろ!」


(駄目だこいつ……早く何とかしないと)


「困っている人を助けるのは勇者の義務だ!それを放棄する奴が居るはずが無い!」


(なんだこいつ?頭抱えて逃げ出したいんだけど……こいつも異世界来て、更にタガが外れちゃったみたいだな)


「お前は神崎とかも、前線に送って殺し合いさせたいわけ?」


「楓には殺し合いなんてさせない!」


「つまり神崎は前線には出ないと言う事だよな?」


「当たり前だ!そう言っただろ!」


「なら他の奴も自由参加で良いんだろ?後方支援の奴も居れば、戦争自体参加したくない奴は城に居ても良いわけだな?」


「そっ、それとこれとは話が違う!」


「いや一緒だろ?なんで神崎は良くて、他の奴はダメなんだよ……それじゃ差別じゃねーか」


「俺は差別なんてしてない!話をすり替えるな!」


「いやしてるし……とにかく別に参加は義務じゃないんだし、他の奴はともかく俺とあかりは自分たちで決めるからさ、お前さ、一回自分の発言見つめ直せよ?」


と言って離脱した。


「おい逃げるな!」


と叫んでたけどもうしらね。




少し先の柱の陰で、あかりと神崎が待っていた。


「ごめんね水木君……」


「いや神崎が謝る事じゃないだろ?なんかあいつ、異世界来てタガが外れちゃったみたいだから、少し注意した方が良いかも知れないぞ?」


「聞こえた分の話を繋ぐとそうみたいだね……」


「クラスの中心みたいな奴なんだし、一晩寝てもう少し落ち着いてくれると良いけどな」


「その辺は注意しておきます。ちょっと行ってくるね」


「ああ、気を付けてな。あかり行こうか」


「うん……私は殺し合いなんてしたくないなぁ」


「俺も殺し合いはともかく、能力なさそうだから出来て後方支援だろうな」


「え!?殺し合いは良いの!?」


「いや好き好んで殺し合いはしないぞ?切羽詰まった時とか、あかりを守る時とかそういう時な?」


「あうー」


またまた顔を真っ赤にするあかりだった




所変わって王の私室


「どうでしたか父上勇者様達は?」


「まだわからんが、コウと言う者は正義感溢れているが少し危なっかしいな」


「そうですね」


「あの者は、確かに言動が勇者っぽいが直情的すぎる。貴族や大臣などに利用されぬように注意しておいてくれ」


この国も一枚岩ではない。

王に内密に事を進める大臣などもいるだろうし、勇者を取り込み力を持とうとする貴族が出てくる可能性もある。


「はい」


「あとはカズヤと言ったか、あの者はお主に質問してきた者であろう?」


「はいそうです」


「あの者は頭が回りそうだな……能力や称号によってはかなり使えるかも知れんな」


「そうですね。称号に期待したいところです。軍師とか参謀とか出ると嬉しいですね」


「そしてお前のお気に入りか?」


「ななな!何を言ってるのでございましょうや!」


「いや言葉使い変だから」


「さ、さあ!晩餐会に出る準備しますですわよ!」


と言いアンリエットは去って行った。


「本当にあいつは頭が回る者が好きだのう……」

少し父親の顔になる国王だった

有馬君がどんどんバカになっていく

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