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ブックマスター  作者: けいえむ
1章 召喚されて異世界
17/21

16 あかりと楓

15 帰還の、続きと言うか追記と言うか

あかりと楓の話です

あかりは久しぶりに昔の事を思い出していた。



生まれた時から、隣にはかずくんが居た。

同じ年に生まれた事と、家が隣同士だった為、母親がママ友になり日中は良くお互いの家を行き来した。

少し成長してもそれは変わらず、お互い歩けるようになっても母親に連れられて、遊びや買い物にも度々一緒に行った。

近くにも同い年の子や、ママ友繋がりの友達は居たが、家が隣なのもあり一番よく遊んだのはやっぱりかずくんだった。



小学生になり他の子と遊ぶ事も増えたが、やっぱり一番よく遊んだのはかずくんだった。

そう言えばあの頃はかずくんも、外で友達とサッカーとかしてたっけ……



私は小さい頃から動物が好きで、雨に濡れ子犬を拾ったため飼いたかったが、親からOKが貰えずに泣いていた。

許してくれるまで帰らないと家を飛び出した時も、一緒に居てくれたっけ。

お互いの親が迎えに来てものすごい叱られたけど、かずくんと一緒で嬉しかった。

犬を飼う事は許して貰えた。かずくんも一緒に面倒見てくれると言ってくれた。

今でもよく一緒に散歩に行く(ちなみにその犬がチロ)

今では親も犬好きで、更に猫まで飼い始めた、あの時の苦労はなんだったんだろう……



中学生になり、かずくんはあんんまり外では遊ばなくなり、本をよく読むようになっていた。

学校ではからかわれたりするので、あんまり一緒に居なかったけど、チロの散歩は一緒に行った。

その頃から段々と胸が大きくなり、男子にからかわれたりしたけど、さり気なくかずくんが話を逸らしてくれたりした。


そして告白される事が多くなって来た。

断って諦めてくれればまだ良いけど、待ち伏せされたり後をつけたりする人も居た。

待ち伏せする人を怖がっていたら、学校でもかずくんが一緒に居てくれるようになった。

その人たちに色々噂流されたりもしたけど、かずくんと一緒に居れたから良かったかも。



高校も中学とそんなに変わらないけど、違う学区から来る人も多かったので、また告白とかされるようになった。

中学の時と違ったのは、かずくんと一緒に居ても、そういう人が後を絶たなかった事だ。

確かにかずくんは、休み時間とか本をよく読んでいて活発ではないし、俗に言うイケメンではないけど、ずっと隣に居た大切な人なのだ。


かずくんが無理やり私を拘束してるとか、ありもしない噂もしょっちゅう流された。

それを信じて、かずくんに突っかかる人も多いし、それをネタに交際を求めて来る人も居た。

かずくんを好きと言って断っても、脅されてるんだろとか言う人ばっかりだった。


その頃楓ちゃんと友達になった。

楓ちゃんもかずくんの読んでる本とか好きみたいで、話が合うのが少し羨ましかった。


色々変な噂も流されたりしてるが、かずくんはいつも一緒に居てくれる。

噂は嫌だけど、かずくんが居てくれるのは嬉しい。



そしてこんな事になった。

異世界に来てからは、かずくんと一緒の時間は少し減っちゃったけど、私を守ってくれて嬉しい。

そして私も、何が起こるかわからないこの世界でかずくんを守りたい。

今までは、ただ隣で守って貰うだけだったけど、いつかお互いを支え合っていきたい。



楓ちゃんやアンリエットさんが当面のライバルだろうけど、この先はどうなるんだろう……

でもどんな結果になっても、私はかずくんとはずっと一緒に居る。






楓は和也との出会いを振り返っていた。



あかりちゃんと友達になって、幼なじみだと紹介された。

でもあかりちゃんを見てれば、幼なじみ以上なんだろうなーと容易に想像が出来た。


私にも幼なじみは居たけど、この2人みたいな関係では無い。

彼は、自分が正しいと思った事が絶対だったので、他の人の意見を聞かないことも多々あった。

彼自身人気があったので、大体みんな彼の言うことを聞いて意見を曲げたりもしたけど、それは違うんじゃと度々思っていた。

彼は昔から、私を守ってくれると言ってくれる。言ってくれるのは嬉しいけど、私は守られてばっかりなのは嫌だった。



水木君と更に話すようになったのは、水木君が学校で私の好きなライトノベルを読んでいたからだった。

それ以来、あかりちゃん抜きでもたまに話すようになった。

その後に色々話して、お互い本やゲームの趣味が結構合うのもわかった。

話が合う人が少なかったので嬉しかったけど、あかりちゃんに悪いので控えめに話していた。


それに、水木君の方からはあんまり話しかけて来なかった。

私は学校で人気のある方だとは自覚している。

そのせいで私に話しかけた後、水木君が絡まれたりしてるのも何度も見たことがある。

色々話はしたいけど、話すと水木君に迷惑がかかる。それは嫌だった。

だから趣味の話は、いつも朝の挨拶のあとさらっととか、帰りの挨拶の後さらっと話すぐらいしか出来なかった。

あかりちゃんと一緒に、家に招待しようかと思ったこともあったけど、結局その機会はこなかった。



異世界に召喚されて、水木君とあかりちゃんは前以上に仲良くなったようだ。

あかりちゃんが羨ましかったけど、なんか少し悲しかった。

チームが離れちゃった事もあり、水木君ともあかりちゃんとも話す時間が減った。

私は光チームだったので、変に絡まれたりは無かったけど、あかりちゃんは篠塚君に色々と誘われたりして大変そうだった。

水木君がかばったり、矢面に立ったりしてあかりちゃんを守っている。

こんな状況だけど、嬉しそうにしてるあかりちゃんが微笑ましかった。



そんな大木君達が、水木君を排除しようとして、水木君を落とし穴に突き落とした。

穴の近くに居た私が助けようと頑張ったけど、力及ばず一緒に落ちてしまった。


落ちて気を失って、最初に見たのはオークの顔だった。

助けを求めて騒いだけど、ほっぺたを殴られて、怖くて痛くて泣き出してしまった。

オークが私に覆いかぶさってきて、私はここで……と思ったら、水木君が飛び込んできて、オークを倒して助けてくれた。

その時、水木君におもらしを見られたのは今でも恥ずかしい。



30層でから帰るために、一緒にレベル上げしたり、私の作ったご飯を食べて貰ったりした。

オークは少しトラウマだけどおいしかった。

探索中の彼は強かった。ほとんどの敵を指先ひとつで倒していった。



そしてボス戦で、ザコ魔物を瞬殺した時はかなりびっくりだった。

水木君が回復中に私がおとりになった。

怖かったけど、私も一緒に戦ってるんだって思えた。

鋼君だったらどうするんだろう?きっと私は、後方で待ってるだけだったんじゃないだろうか?

回復役なんだから仕方ないかも知れないけど、みんなが戦ってるのにずっと後ろで待ってるのも嫌なんだ。

私も、せめて攻撃魔法や防御魔法を覚えよう。


おとり役が終わった後の、ウッドゴーレムの攻撃で私は死を覚悟した。

それを水木君が、体を張って助けてくれた。

彼はあばらを折ったらしいけど、それでも私を守ってくれた。

守られてるだけは嫌だって言ったばっかりだけど、守って貰ったのは純粋に嬉しかった。

戦いが終わって思わず水木君に抱き付いちゃった。



地上に帰ったら、みんな帰還を喜んでくれた。

あかりちゃんが、水木君から離れたがらないのも微笑ましかった。



その後、あかりちゃんが部屋に帰ったので、泊りに来て今に至る。

あかりちゃんには、正直な気持ちを話した。

吊り橋効果って言われたらそれまでだけど、好きになっちゃったものは仕方ないのだ。

それに学校の時から気にはなってたんだし、吊り橋ってだけじゃない。

決してチョロインでもない。



隠しておくのは嫌だったので、あかりちゃんに自分の気持ちを言って、その気持ちを封印しようとした。

あかりちゃんは、お互い正々堂々と頑張ろうと言ってくれた。

勝ち目は薄いだろうけど、頑張ろうと思う。

でも、ここでもうひとつの可能性を考えついた、ラノベとかではよくある話だ。




「あかりちゃんさっきの話の続きなんだけど……」


「うん」


「2人一緒に選んで貰うってのは有りかな?」


「えっ!?」


「私は水木君のこと好きだけど、あかりちゃんも好きなの。仮に私を選んで貰っても、あかりちゃんが悲しむのは嫌だよ」


「……でもそんなの良いのかな?」


「この世界は一夫多妻有りだし、日本に帰ってからの事は、帰ってから考えれば良いよ」


「かずくんはどう思うかな?」


「それはわからないけど……」


「じゃあ、明日から2人で迫ろうか?」


「あかりちゃんはそれで良いの?」


「私も同じ気持ちだよ。かずくんが大好きだけど、楓ちゃんも好きだから楓ちゃんが悲しむのは嫌」


「さり気なく大好きって言った。あかりちゃん負けず嫌いなんだからー」


顔を赤くしつつ


「他にもライバル居そうだし、明日から2人で頑張ろうね!」


「そうと決まれば今日は早く寝て英気を養おう。おやすみ」


「おやすみ」




二人は、二人まとめて選んでもらえたら嬉しいな、と思いつつ眠りについた。

ハーレムルート突入か!?

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