9 ガールズサイド
10層ボスを倒した後の女子の話
10層のボスを倒したその日の夜の出来事女子編
夢野あかり・神崎楓・千葉里香・太田裕子・沢渡由紀が集まってパジャマパーティーをしていた。
「10層攻略おめでとうだね!」
「そうですね。楓さんは良い杖も手に入ったみたいですし、これからも順調に行けそうですね」
「戦争は嫌だけど、皆を更に癒せるようにがんばるよ」
「でも、いいんちょの魔法とか凄かったねー」
「裕子さんが、周りのザコを倒してくれたから集中できましたからね」
「それと、ゆきっちの「閃!」はかっこよかったわー」
「あーあれは凄かったねぇ。武器は西洋刀だけど、まさに剣道小町って感じだったね」
「はっ恥ずかしいですよ……それに私も、皆さんが敵を引き付けてくれたので、気合いを貯める事が出来ました」
「あー私だけ全然役に立ってないなーここに居ても良いのかな?」
と戦闘に役に立たなかったあかりが言う。そんなあかりに裕子が……
「そりゃあかりっちが居なきゃ、この勝利は無かったかも知れないからじゃないかー」
「えー私何にもしてないよ?」
「あかりっちが来なきゃ、水木君が来なかったかも知れないじゃんかー」
「あ、えっとその……」
顔が赤くなるあかり
「照れなくても良いにあかりちゃん」
神崎のニヤニヤが、他のメンバーにも広がっていく
「で、あかりっちと水木君はどこまで行ってるんだよー」
「ど、どこまで何も、ただの幼なじみだし!」
声が裏返るあかり。
「あれだけ周りに見せつけておいて、あかりちゃんはまだそんな事言うのー?」
「だっだって本当の事だし!」
「ふーんなら私貰っちゃおうかなー」
裕子が、あかりをチラチラ見ながら言う。
「えっ!?」
「なら私も立候補します」
委員長もそう言いながらあかりをチラチラ見る。
「ええっ!?」
「いいんちょもかー、かえでっちとゆきっちはどうするー」
「どうしようかなー?話も合うし優しいから良いかも」
楓もあかりをチラチラ見ながら言う。
「わっ私はまだそこまではっ!」
由紀は少し顔が赤い。
「あれ?かえでっちとゆきっち結構本気ー?」
「だっダメ!かずくんはダメだからねっ!」
顔を真っ赤にして怒る。
「なんちゃってー。平気だよあかりっち冗談だからー」
「ふぇっ!?」
「そうですよ。あなた達を見てれば、間に入ろうなんて思う人は多分いませんから」
と今度は楓や由紀をチラと見ながら言う。
「だいたいうちのクラスの女子は、全員二人の関係なんかわかってるしー」
「ふぁぁ!?(><)」
「分かってないのは一部の男子のみだよー」
「ああ……」
全員深いため息をつく
「大木と篠塚と能代かー」
「他にも一部居るようですが、彼らは特に酷いですね」
「そうなんだよ!かずくんも謝る必要なんて無いのに!」
ぺしぺしとベットをたたく。
「前はあそこまでじゃなかったですよね?」
少し疑問に思い委員長が聞いてきた。
「学校の時はこっそり色々されてたみたいだけど、こっちに来てからは堂々と色々してくるようになったの……」
「彼らもこっちに来た事で、気が大きくなったんでしょうかね」
「かずくんは無視しろって言うけど、ここまでかずくんをバカにされると無視なんて出来ないよ!」
「でもあかりちゃん。水木君は大木君達が、あかりちゃんに直接手を出してくるぐらいなら、自分は何されてもいいって言ってたよ?」
「そんなっ!?」
「それだけ守られてるって事だよ……羨ましいなー」
「あかりっちの方には、今の所直接アクションは無いのー?」
「同じ訓練になってから、篠塚君には「僕が守ってあげるよ」とか「ずっと一緒にいよう」とか何度も言われるけど、その気はありませんって何度も断ってるんだけど……」
「うわぁ。そういや噂になってたなー」
「今度かずくんと訓練することになったんだけど、篠塚君には「二人きりの方がよかったのに」とか「仕方ないから水木も仲間に入れてやる」とか言われて……」
「そこでちゃっかりと、惚気を入れるあかりっちであった」
「惚気てなんかないよっ!?」
「まあまあ、しかし噂には聞いていたより酷いなー」
「ですね。しかし彼らが、この先もっと直接的な事をしてこないとも限りませんね……」
「なら私たちも、時間がある時はあかりさんと一緒に行動してはどうだろうか?」
「それは名案だね!」
楓が賛同した。
「水木君は戦闘系じゃないし、直接守るにも限度がありそうだしなー」
「私もそれが良いと思いますよ。微力ながらお手伝いいます」
裕子と委員長ももちろん賛同した。
「そんな……良いのみんな?」
「友達が困っているんだし力を貸すのは当たり前だよ」
うんうんと全員が頷く。
「みんなありがとう!」
思わずみんなを抱きしめてしまう。
(あーふかふかだー……こりゃ水木君がはまるのもわかるわー)
少しだけ、和也の気持ちがわかった面々であった。この後も、ガールズトークは尽きずに夜は更けていった。
市原めぐみは焦っていた
(こっちに来てから鋼君と一緒の時間が減っちゃった……)
めぐみは学校時代からずっと有馬の事が好きだった。
(もっと強くならなきゃ鋼君と一緒に居られない……なんとかしてもっと強くなる方法見つけないと)
佐々木唯は考えていた
(こっちに来て体が強くなったのは良いけど、本が読めないなんて……)
唯も、和也に負けず劣らず本が好きだった。
(水木君のスキル羨ましいなぁ。今度水木君に字を教えて貰おうかな?)
学校時代から和也とは話してみたいと思っていたが、病弱なのと引っ込み思案なのが災いして、なかなか話す機会が取れなかったのだ。
(今度思い切って話しかけてみよう……これを機会に、水木君ともっとお話し出来るようになれれば嬉しいな)
結城桃子は思っていた。
(生徒を大変な場所に送り出して、自分は安全な場所で待っているなんて教師失格だわ……)
今回の安全ゾーンの引率は、桃子には反省すべき点だった
(今度はもっとみんなの役に立てるように頑張らないと。でも私に何が出来るかしら……)
こうして女子の夜も過ぎていった
女子はやはり恋話か