表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

プロローグ

久しぶりの日曜日。久しぶりと言っても、日曜日は週に一度やってくるのだ。それでもなかなかゆっくり出来なかったから、日曜日がずいぶん久しぶりにやってきた気がした。


せっかくの休みなのにこのままベッドの上でゴロゴロしてるのは、ちょっともったいない気がした。時計を見ると午前十時をさしている。そう言えば、朝ごはんも食べてない。


私はゆっくりとベッドを抜け出した。窓の外はまぶしい太陽の光を桜の若々しい葉が受け止めていた。今日は気温がずいぶん上がりそうだ。


部屋を出て一階の台所で朝食を探す。しかし、朝食はもう食べた後なんだろう。食べられそうな物はなにもなかった。私は仕方がなくコップに牛乳を注いだ。


「あらあら、遅いお目覚めですこと」


後ろから声をかけられた。母だ。


「おはよ。まだまだ眠いんだけど、なんか食べるものないの?」


母は冷蔵庫を開けるとにこやかに笑いながら


「ご覧のとおり、すっからかんよ。後で買い物に行かなくちゃ。今日から麻衣ちゃんも来るのにこれじゃ」


「麻衣ちゃん?誰、それ?」


私は初めて聞くその名前にきょとんとした顔で聞いた。


「この間話したじゃない。今日からこの家で一緒に暮らす家族よ。そうだ、お母さんは買い物に行くから真由美ちゃん、迎えに行ってくれる?」


なんかめんどくさそうな事を私に押しつけようとしている。


「私が?無理だよ、会ったこと無いんだし。向こうだって私のこと知らないでしょ」


「大丈夫よ。とっても可愛い子だからすぐわかるわ。十一時半に駅で待ち合わせしてるから、よろしくね」


「ちょっと・・・」


かなり強引に押しつけられてしまった。時計を見ると十時半を回っていた。駅までバスで三十分かかる。つまり支度をする時間は三十分ある計算になる。ただ、この計算はバスの待ち時間がない場合の計算だ。


「時間ないじゃない」


私は慌てて支度をはじめた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ