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月夜に舞う後宮の第四妃  作者: 栗鼠咲
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情報収集

プライベートが忙しく、文章量が少なくなっています。

些細なことでもアドバイスをいただけると嬉しいです。

「報告いたします。天輪近郊の村のうち3つに反乱を起こす予兆がみられました。乙兎からの情報ですが、米屋襲撃の後、各村の住民がそれぞれ別の門から天羅宮に攻めてくる、と」

「どうしてそこまで」

「今は村に米を売りに行っている親切な娘なのです」

「あぁ、そういう事」


その村の村人の警戒心をかいくぐって情報を集めているのか、と淋珂は感心した。


「それにしても乙兎は犯罪人の捕縛をしている筈では?」

「私たちの拠点で監視をしているため、甲乙丙丁いずれも独自で調査を開始しています。」


そういう事だったのか、と納得した淋珂は甲臥に再び指令を出す。


「乙兎以外の3人で、この天輪近郊の地域で起こっている何か小さな異変を調べてきてほしい」

「小さな異変、ですか」

「そう」

「了解しました」


甲臥はサッとその場から姿を消した。


淋珂の頭の中には(陰)の言葉が残っている。

それが何を考えるにしても、淋珂の心を不安にするのだ。

やがて淋珂は決心をした。


(陰)に自分の代わりをしてもらい、やはり自分が現場を見なければ。


早速淋珂は(陰)を呼び、1日だけ入れ替わってもらえるようにお願いをした。

(陰)は「考えて決めたことなら」と承諾。

その日のうちに、淋珂は黒装束で後宮から飛び出たのだった。


天輪近郊、亥四村


日が暮れて少しして月明りだけが村の家々を照らしている。

その闇に隠れて淋珂はある民家に聞き耳を立てていた。


「宋老師は、何と言っていた?」

「ここが最後に動けって」

「動け、とは?」

「さぁ、まだそれだけしか届いていないからなぁ」


その言葉の後に、こそこそと複数人のヤジが聞こえてくる。

此処の村民らは、おそらく(宋老師)という誰かの指示で動いているのだろう。

臥兎組の彼らもおそらくここまでの情報は得ているのだろうが、やはり反乱自体に慣れている村民がいないからか、筆談でもなく一切盗み聞きの対策が張られていない。

その上重大と思われる情報も渡している。


「宋老師と呼ばれるモノは、やはり少しは考えているのだろうか」


村民に教えている宋老師という名前も十中八九偽名だと推測できるし、作戦において何をすべきかという事すら直前まで教えないというのは、情報漏れを防ぐのには効果的であると言える。

ただ、それも一か八かの賭けだという事も分かる。

出した情報を村民がしっかりと理解し行動に移してくれるのかというのは、大きな賭けである。


「しっかし、最近始まったらしい(農人税)ってので、とうとう初めての連行者が出たらしい」

「そうなのか?しっかし、理不尽すぎるお触れだよなぁ」

「農業が職業の者の人数分、農地税とは別に税金が持ってかれるってのは、あまりにも横暴すぎるだろう」

「俺なんか子供が4人いるせいで米が全く持って足りないぞ、長男と次男に志願兵になってもらったおかげで、食いつなげてはいるが」

「税の代わりに子供を軍に入れるってのはなぁ・・・」


初耳の法令である。

自分が農家である訳でもないし、その情報が入ってこなかったのも当然と言えば当然かもしれないが。

それからも淋珂は村民たちが解散をするまでこっそりと彼らの話を聞き続けたが、結局それ以上に有益な情報を得ることは出来なかった。


梅花宮へと戻って来た淋珂は少しもやもやとはしつつも、(陰)と交代して床に就いた。




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