電話からくる突然の恐怖
恐怖は人それぞれ。
現実世界の電話の恐怖と異世界の融合をお楽しみに。
だんだんここから現実離れしていきます。
昼休み後
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13時 開店と同時にいきなり電話ラッシュが来る。
!!!!
何事?
「はい。ヘルプデスクです。」
「あ、もしもし?いまね~なんかネットワークに一切つながらないんですよ。
ネットも見れないし、メールもできないし、プリンタもできないし。
どーなってるんですか?」
「カシコマリマシタ。申し訳ありません。只今確認中ですので。。。。」
「なるべく急ぎで頼むよ。こっちも仕事止まって困ってるんだから・・・・」
「カシコマリマシタ。善処いたしますのでしばしお時間をいただきます。」
(ガチャ)
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これはなにか起きたな・・・てか障害!!!!
やばいとりあえず出なきゃ
「はい、ヘルプデスクです。」
「もしもし!ネットつながってないよーどうなってんの~?」
「すみません。只今確認中なので・・・」
「急いでねーこっちは入稿待ってるんだから・・・・」
「カシコマリマシタ。」
(ガチャ)
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「はい、ヘルプデスクです。」
「あのーパソコンがフリーズしているのですが・・・」
「ぇーと?かしこまりました。
タスクマネージャーを起動して、取り急ぎ強制終了をお願いします。」
「どうやるんですか~?」
「Ctrl+Shift+ESC で起動します。」
「あ、できました。」
「これでフリーズしているソフトを右クリックしてタスクの終了ですね」
「あ、消えた。 うごいた~。ありがとうございました。」
(ガチャ)
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やべ~この障害のときに来る、ぜんぜん違う問い合わせ・・・
もうヤダ(泣)
「はい。ヘルプデスクです。」
「プリンターが止まってるんだけどどうすればいいですか?」
「申し訳ありません。現在確認中でして・・・」
「あとメールとかも動いていないんだけれどなんか起きてます?」
「えーと今複数、他の場所からも似たようなお問い合わせをうけてまして。。。
現在確認しております。」
「あ、私達だけじゃないのね。ならいいわ。ありがとう。」
(ガチャ)
endless・・・・
ちなみにこの原因は午前中対応していた斉木の対応がかかわっていてた。
プリンターの電源を入れ直しただけでは改善せず、お客様にプリンタのつながっているLANの抜き差しをお願いした際に、S/Wのポートを間違えてしまったようだ。
そのフロアスイッチのポートを間違えたことで、部分的にネットワークがつながらない状況になってしまった模様。
ネットワーク管理者は阿鼻叫喚しながら原因を特定していたのでした。
斉木はただLANの抜き差しをお願いしていただけなので悪いところはないのだが・・・間接的に関わっていたので顔面蒼白。
原因がわかり、現地で正しいところに指し直したところ改善。
取り急ぎ問題ないとのことで様子見となったわけだが・・・
今日はこれだけでは終わらなかったのだ。
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「はい。ヘルプデスクです」
「もしもし?佐藤ですけど・・・なんか私のパソコンが・・・黒い円みたいのが出てきていて・・・
これなんですかね?」
「黒い・・・・円ですか・・・」
「デスクトップの真ん中に黒い円が渦巻いてるんですよねぇ・・・なんか気持ち悪くて・・・」
「なるほど。ちょっと確認しますね」
はじめて聞く問い合わせだ・・・
一瞬ワームホールを彷彿させるようなニュアンスだったが、そんなまさか。と冷静に否定してみた。
おそらく壁紙が勝手に意図しないものに変わってしまったのだろう。。。。
「もしもし。佐藤様ですか?ワタクシヘルプデスクの一ツ橋です。
先程の件でご連絡なのですが・・・」
「ザザッ ・・・ザザッ ・・・シャー・・・」
雑音がひどい。
「もしもし?ちょっとお声が遠いようなのですが、こちらの声は聞こえていますか?」
「も・・・・・さ・・・・な・・・・・・・・・・」
やばい。。何も聞き取れない。
「もしもし?いかがされました?」
「ザザ・・・・ザ・・・・・ギリッ」
だめだこれは・・・・現地に行こう。
「申し訳ございません。お声が遠いいようなので一度切らせていただきます。現地で確認させていただきますね。」
(ガチャ)
「斉木ーちょっと俺佐藤さんところに行ってくるわー」
「ん~?何かあったの?」
「なんか電話してて最初黒い円が出てきたとか言ってたんだけど、その後電話に雑音が入るように鳴っちゃってさ・・・全然状況わからんのよ」
「まじかー。しかたねーな。とりあえず今は電話落ち着いてるから行ってきなー。
あ、ついでだいい機会だから玉谷もつれてけよ。」
「お、それは名案だな。でも一人になっちゃうけど大丈夫?」
「大丈夫だよ。いざと慣れば宮森上司もいるからさ。」
「そうですね。宮森上司~ちょっと私と、玉谷二人でお客さんのところ行ってきます。」
「おー了解。気をつけてなー」
「はい。」
「玉谷さん行くよ。準備して~」
「わかりました~」
「わりぃ。俺と、玉谷さんの行き先掲示板変えといて」
「了解~いってら。」
玉谷さんと二人で現地に向かう。
まじでちょっと不安だなぁ・・・・何かあったんだろうか・・・
最後の方微妙に声聞こえてたような気もするけど。
「一ツ橋先輩、佐藤さん何があったんですか?」
「そうだなぁ、ちょっと俺にもよくわからないんだよねぇ。。。
一つ確かなのは、黒い丸がデスクトップの真ん中にあったってこと。あとは電話が雑音になっちゃって何も聞こえなかったのよ」
「なるほど~それは困りましたね。でも、黒い丸って何なんでしょうね?あんまり聞いたことない問い合わせです。」
「そうなんだよなぁ。ぶっちゃけ俺も聞いたことないよ。でも多分だけどデスクトップの壁紙が変わっちゃっただけだと思うんだよなぁ・・・まぁいってみよう。」
「そうですね。やっぱり電話だけだと実際に見ないとわからないこととかも多いですもんね。」
「そうなんだよなぁ。俺たちも対応していて、お客さんの画面そのまま見えているわけじゃないからね。色々想像することしかできないからなぁ。特に今回は電話もできなかったから、行くしかないよね。」
「ですね。あ、着きましたよ。」
「ここか。あれ・・・なんか寒くない?」
「そうですね。先輩も感じましたか。。。それになんか妙に静かじゃないですか?」
「そうだなぁ、いつもこの時間だったら色々聞こえても良さそうだけど・・・」
そっと、佐藤さんの席の方を覗いてみると、そこはなんと異質な空間になっていた。
「なんだこれ!」
「うわぁ・・・・す・・・すごいです。」
言葉で説明するのはなかなか難しいが、まず目に飛び込んできたのは、人が複数人は入れそうな黒い円がパソコンがあったと思われる場所を中心に渦を巻いた空間ができている。
パソコンは跡形もなく消えていた。また、机自体も黒い円に飲み込まれていた。
佐藤さんもすでにここにはいない。
というより、このフロアにいるのは俺と玉谷さん以外は誰もいなかったのだ。
しばらくフリーズしていた二人だが、ふと同じタイミングで我に返った。
「これ・・・明らかにやばいこと起きてるよな。どうする?」
「え?入るんじゃないですか?」
「まじかよ!」
「だってこれ異世界の入り口ですよ?こんなのみたら入らないという選択肢はないです。」
「えぇぇ。。。だってこれ戻ってこれないかもよ?」
「いいじゃないですか!異世界で新たに新しい人生を歩む!すばらしいですよ!」
非日常の現実が目の前に降りてきたときってこうなるのか・・・
玉谷さんの場合は躊躇なく行けるんだな。
俺はどうだろうか・・・・
ラノベ的展開とか目の前にすると、意外と人間冷静になれるもんだな。
「いや。これはまず、宮森上司と、斉木に報告だ。」
「ぇぇぇぇ。。。いきましょうよ~」
「早まるな!それに報告していないで俺と玉谷さん二人抜けたらそれはそれで大変なことになる。今のうちに状況証拠を写真撮って、報告するぞ」
「はぁぃ・・・わかりました。」
「よし。まず写真だな。玉谷さんお願い。」
「了解です!」
パシャッパシャッパシャッパシャッパシャッパシャッ
めっちゃっ撮ってる。動画も回しているようだ。
そしてSNSに投稿していた。
やっぱり仕事はえーよ!
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tamatama
@tamatama
これガチワームホールキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!
wktkなんですけどwwwwwww
14:00 2020年2月21日·SNS Web App
いいねの数 20
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ピポパ
「あ、もしもし斉木?」
「おーどうした?」
「すげーことが起きてるぞ。今から写真送るから待ってろ。とりあえず玉谷さんがSNSで叫んでる」
「なにそれwwwwwどんな状況?」
「はっきり言って俺は今ものすごい状況を目で見てるのは間違いない。」
「それだけじゃわかんねーよ。詳しく」
「えっとな。変なこと言うなって怒るなよ?」
「おう、内容によるな。」
「おい!まぁいいや。いまワームホールの目の前にいる」
「はっ?一ツ橋・・・大丈夫か?ついにお前壊れたか?」
「いやマジなんだって、写真送るから見てみろ。」
「お・・・おう。」
・・・・
「ブッっ!!!!まじかこれ!!!!」
「合成じゃないぞ。動画はこっちだ。」
「やべぇ。。。。 それどこ?こうしちゃいられねぇ。俺も行く。」
「だから佐藤さんのところだってば。」
「まじかよ。てか肝心の佐藤さんは?」
「それが聞いて驚くな、今このフロアには俺と玉谷さんしかいない。」
「まじ?!それってやばくね?」
「あーだからまずお前に電話した。」
「ただ部内の会議とかで、みんないないとかならいいんだけどな。。。
だけどさっきの電話の状況といい、ここに来て実際にみている状況といい・・・・やばいことになってる。」
「そうか。とりあえず、電話があったことは宮森上司にも伝えておく。後で動画も送ってくれ。」
「了解。」
「先走るんじゃねーぞ! 俺も行くときは一緒に行くからな。」
「ああ。サンキュー友よ。」
「よせよ気持ち悪い。てか勝手に死亡フラグ作るな。」
「わりい。とりあえず伝えたからな。」
「おう。こっちは任せとけ。絶対に先走るなよ!」
(ピッ)
「一ツ橋せんぱーい いいねとバットの数がやばいことになってます(T_T)」
「みんな合成って言ってるみたいだな。」
「そりゃそうですよ。こんなの現実だって普通信じないですもん。いやぁテンション上がりますねwww」
「幸せなやつだなおい・・・・とりあえず斉木には報告したから、電話を待っとこうと思う。」
「とりあえず待機ですね・・・動画撮っておこ~♪待っている間に消えないと良いなぁ・・・」
「動画サイトに上げといてね」
「任せてください!Live配信も準備します!」
楽しくなってまいりました。
次回からやっと異世界へ旅立ちます。
旅立ったあとどうなるか・・・
それが心配です。